このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする
元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに
具合 ....
《
ああ……
ケーキなんて嘘さ
優しげな瞳をしたあの人は
甘い期待に励まされた
子供たちを裏切った
食卓のうえを見る
歪んだ顔が曲がって映る
ケーキなんて嘘さ
白い皿には何ものってい ....
君が知らないうちに
きれいになったと
思ったのは秋の日で
僕らはほかの誰かの
バースデーに引きずられただけ
遠い世界の争いのように
僕らは憂鬱を抱いていた
話は知らないうちに ....
とても高いところから
飛び降りていたなんて知らなかった
飛び降りていた自覚もないのに
それこそが生きてる証だった
飛び降りながら僕らは
顔を見つめ合い皮膚などに触れた
泣い ....
胸の中 封じ込めてきたのはね
捨ててしまいたくない思い出だとか
忘れたくない温もりだとか
触れれば消えてしまいそうなものばかり
口の中 封じ込めてきたのはね
あの日言えなかった台詞だとか ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく
あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
庭に雑踏が茂っていた
耳をそばだてれば
信号機の変わる音や
人の間違える声も聞こえた
ふと夏の朝
熱いものが
僕の体を貫いていった
雑踏は燃え尽きた
かもしれないが
庭 ....