種が芽生えるためには
尽くされなければならない
みずうみがある
種が根付くためには
終わらなければならない
幾何学がある
種が芽生えて根付いた先には
新しい双葉が包皮を脱ぎ捨てて
 ....
すべての川は流れている
すべての故郷の川は流れている
耳を傾けるならその川の流れを
聴くことができるだろう

乾ききった風と砂しか入らない
窓からせせらぎが流れてくる
台所の床をひたして ....
命の抜け殻の羽ばたく音が
息と手のひらのかがやきを見ている
朝が
径の上の夜を流す


頭の穴に降りそそぐ
夜の指の先端の星
まばゆく痛み
頬へあふれ こ ....
音楽の花の大地に星も降る
色彩が瞬き心に透き通る
風につられて 心地よく時間を置いて
手を合わせる

何かと繋がり その何かを考えずにすむ
心の置場所 雛を巣にそっと置くように
 ....
くまたちが春をわすれると
街はわあっと暑くなる

なんでもない顔をして
生きていかなくてはならない。
箱が産卵する
そして部屋には
部屋のかたちの夜がはいってくる。

眠れずにい ....
{画像=190525173002.jpg}

{引用=
詩とかわいいイラストを融合できないかな~と考えていました。
詩の説明のためのイラストではなく、
イラストの説明のための詩でもなく。
 ....
放射状ではないですが 
こちらにも 大きな国道 ありて 

ビュンビュンと 
北国の風を乗せて 進むタイヤは 
きしむことすら 忘れて 
遠吠えを 始める 

夜になれば ラッ ....
夏を探して
蝉の声に踊れば
踊れば夏でした

七日の後に声は枯れ
日めくり秋にちかづけば

鳴いているのは蝉でなく
あれは鹿の子の笛の音
いいえ、それも夏でしょう

では秋はどこ ....
歩いていたの1人
どこへでも行ける足を身につけて
目に広がる全ての道を進んでいる
知らない道なんてないくらい
雨や風や雪
朝と昼と夜も
ずっと歩いていたの
時間もわからないくらい
前も ....
三日ぶりに入ったその部屋であなたは
やはり窓のそばに座っていて
あなたの世界は四階の窓から見える
この建物の北側のビル群と
真下を通る車の音
時折近づいてくる救急車まで

首だけをこちら ....
雨のあいまに
雪は三度、降る

微熱をはらむ毛布を払い
寝巻きのまま
もう一度目覚めたら
絶望に一歩近づくということ。

(雨にうたれる準備ならできている)

魚の欠片を口に運ぶ
 ....
干涸びた月が夜を湛えて傾いでいる
抉れた言葉を当ててみる
わたしのからだが熱いうちに叩いて
抱けばそれだけ変わると思っていた

秒針 マドラーがわりの指
蝶番のねじが飛んで
10月が ....
うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、 ....
白い線につながれた
黒いスマートフォンは
小さな画面を閉じた暗闇に
遠く ぽつねん と浮く
青い惑星の夢をみる
空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二度、三度
襲い来るのは必定にしても
透明な緑の叡智の詩想の許に
たてがらの空の城を現にせんと
 ....
空砲を撃つの
ほわんとしたそれの白い煙

空砲を撃つの
幻の兵士たちが見えない弾を詰める

あたることのない空砲

わたし 風に浮き上がるの

秋風の夕日色を筆で塗りたくったような ....
夜は窓を踏み
窓は夜に座す
がたがたと
風のふりをする亡者


記憶は波の上に居る
はばたきとくちづけをまちがえる
羽のような蜘蛛の巣があり
風を抄い 揺れつづけ ....
てんてきのひとの下を肢体が運ばれる
てのひらに濾過された空ばかり残る
てんてきのひとの上で黙るのは蛍光灯
だけではないという、ひとは
そっと告げた

やはらかに遺されて読めもしないことばは ....
言葉と言葉を継ぎ合わせる
赤い夜の拒絶の淵

別れの白い花びら
漂う岸辺

波の上に
なぜか海鳥が湧く
船の灯りは夏の夜の饗宴

古から
空に浮かび続ける訳を
尋ねる旅人
満 ....
碧く陽の無い朝に引かれる
細い音の線がある
見えない飛沫が
花を揺らす


羽の空が 暗い川を流れる
午後が午後に集まり
吼え声を上げる
窓の滴をすぎる影

 ....
冬が冬を抱くかたちから
噴き出るように羽は生まれ
冷えるばかりのけだものの声
一本の線に遠のいてゆく


永く細い針の重なり
薄く紅い流れのひろがり
目を閉じ ひらく日 ....
     おひとりさま は
        毎晩 毎晩
    寝台のマットレスに
 卒寿のからだを沈めるとき
     青い年 赤い齢の 
灰分となった 乏しい想いが
 天井から 舞いお ....
光る風の中で
まほろびの白が溶ける
さざれ石
パラリと言う音が 今にも聞こえそうな程
距離感は 遠くもなく 近いとも呼べない

厚みは ゴムほどではないが 
紙ほどは 薄くない

一本の髪の毛が すっと風に攫われる瞬間のような
 ....
鳴り

日に日にさわがしくなり
絵の具 は
混ぜあわされて
ひろがり あわだち にぶい 灰色

角がふえ
つづける 図形の
直角を 削り 飾り
とにかく広場はいっぱい
 ....
さかなは、やけている
あかくあかく溶岩のようにやけている
さかなは今にも焼き付いてしまいそうだ

こおるよりはよいでしょう

天はさけぶ

鳥はなく

赤いさかなは、ただただ焼き付 ....
雪がふる
ようなしずけさで
きみが横に立つ
知っていた
ことと
知って欲しかった
ことのさかいめに
散るように
立って言う

夜は
いまでも
白い手を
たよりにして
く ....
寄り添って生った果実も
一つは西へ
一つは東へ
そんな日も来るかもしれない
けれど
もしかして
一つはきみのちゃぶ台へ
一つはわたしのちゃぶ台へ
茶の間のテレビは『真田太平記』のあのシ ....
財布にまだ二千円ある
エレベータより歩道橋で明治通りへ
5時、夕日傾いて
なんか悲しくてどうでもいい

見てる見てる
渋谷の再開発
大きなクレーンが強そうだ
どでかい穴を掘削機がドルド ....
光を打つものの影が
空に映り揺らめいている
二本の穂の墓
影が影に寄り添ううた


切り落とされても切り落とされても
見えない部位は羽ばたきつづけ
音の無い風が生ま ....
nomanさんのおすすめリスト(121)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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