草いきれと湿った地面の匂いがする
(夏だ)
こっそり張られた蜘蛛の巣を
黙って許すことにした
いのち、を
思ったわけではないのだが
今日はこの国や
内包する宇宙にも
とりわけ関心が ....
あのこはデンドライトの目玉を入れているよ。
琥珀色の瞳の無い眼球に
植物みたいな結晶が光っているよ。
あのこはじっと動かない。
瞬きもしない。
あのこの目玉はデンドライトだよ。
(序の刻)
ああ
そこにあるのは
あれは虹であって
虹ではないのです
天に昇ることを許されなかった
屍たちの描いた
放物線なのです
無残にも
灼熱地獄に照らされた
残尿の
....
四季の風がやわらかく
吹いてきてもはや空は
やわらかさのためにぼろぼろと
崩れ落ちそうだ
それぞれの四つの季節が
前後左右から風を吹かせ
大地は反り返り鉄塔は
まんなかでひたすら痒みにた ....
自恃
あれから、四次元経つというのに。
わたくしはあいかわらず
自分に忠実である
すべきことをするのみだ
朝に昼に晩に夜に
出来ないことは出来ない。
真実がわたくしを知って ....