両の扉のまえで
一足飛びに駆け抜けていく
と
不断に
色彩の加減を
線分の渦の飛翔を
貧しく成っている枯木の枝から
と
転回の焔より微かな襞で
過敏な肩のゆれを
血腥い吐息を
....
わたしは
救急車を運転してみたい
それはかならず
東京で
あかい
サイレンを鳴らして
夜の街を
走り抜ける
それはかならず
東京で
くるしんでる人を
救 ....
文字は喜びを与え
文字は怒りを与え
文字は哀しみを与え
文字は楽しさを与う
文字を発音記号としてでなく
文字が意味を伝うる記号だと捉えられる僕らは
文字を見た時にある像が頭に浮かび
....
車椅子が野原にとける
男の子よさようなら
飛び散る魚の反射のうちに
因果律が狂ってしまうのは
大気を覆っている精神界面活性物質のせいだって
化学部のヒトが言ってました。
でも狂ってしまった因果だって
星の動きには逆らえないって
天文学部のヒトが言 ....
うなだれた首を振って
どこにむかう、幾億の足音で
東京サボタージュが蔓延し
路上には、名残り
渇いたって無駄な服を着て
女と男は露になる
朝焼けから
どうしようもない夜までの ....
黒と白の濃淡の世界で
時間が止まっても
風は流れる
想幻の草花を
鱗のように
たなびかせるのです