すべてのおすすめ
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職場で必ず着用するエプロンには
大きなポッケットが付いています
わたしはその中に
いろいろなものを放り込むのが癖です
ポッケットが膨らんでいないと
落ち着かないのです
膨らんでいて少 ....
ああ おれはこわれた
二丁目の角で
月見うどんすする スーン
鉄格子のなかから するどいめだま
おりまげたひざのうらには ぶっとい静脈
にわとりのしずく
....
ささやきも
ふるえも
ゆらぎも
全ては風のこと
若木のやわらかい枝に
鳥が休む
虫をついばむ
ついばまれた虫たちは
同じように
樹液を吸い
葉を食べる
葉は風たちにも ....
水に
突き刺さることができるのは
真夏のひかり
真夏、という
ひかり
湖面にそそぐ陽光は
銀のうろこの魚に変わる
気ままに歌うぼくたちは
それを統 ....
覚醒剤はストリートでエッジが効いている
女と一緒にクスリをやってて女が死んで逃げるのはどこがよくないかというと
それは人の道に外れているから良くないのだ
法律とかは関係なく。
人間は
法 ....
宇宙は溌剌としていた
滴るような蝉の声が宇宙に降っていた
病院ですれちがう人々はどんな人も
それぞれの生や死をしのばせていた
ぼくはそれに無関心を装いながらエレベータを探していた
ぼ ....
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」
ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
暦を焦がすようにして
君を忘れていきます
久しぶりに私の想像するところ
君は今でも顔の前で手のひらを上に広げて
風を乗せたり散らしたり
不明瞭な気配を集めたりして
今日を楽しんでいるの ....
今から
じっと
スプーンを見て
はげしく
先が三つに分かれていたら
それは
フォークだから
ひらがなを読みはじめたころだ
ぼくは母と一緒に千住の街を歩いていた
街角の壁に貼ってある
映画のポスターには男の人と
女の人の顔が描かれていた
そこに読めない漢字
「あのじはなんとよむの」 ....
いやに煙くさいので
ジューサーは目をあけると
驚いて動けない
火があちこちで燃えている
ジューサーはそばに転がっている
オレンジに緊急事態をうったえた
オレンジも目をあけると
驚いて動け ....
○父
窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
象の尾に
憎悪がぶら下がってる
冷たい温度で憎しみは
僕の肉に染みついてる
ナメクジの
せわしない足音がする
雨上がりの動物辞典
神様、
席替えしてもいいですか
....
商品棚に並べられた
きれいなゼリー状のものに囲まれて
カイちゃんが笑ってる
時々ふるふると震えて
何も言わない
床に落ちている
貝殻や干からびたヒトデを
二人で拾う
昔 ....
さやえんどうのかわをむく
ゆびのさきがみどりになって
ぷんとあおくさいにおい
うまくいえへんこと、いっぱいあるよ
っていいたかったのに
なかなかいえなかった
....
例えば
すぱあっと気持ちよく切れる
流線型のペーパーナイフ
例えば
小さな蜜蜂の脚についた花粉
のこぼれる音
例えば
南の島のからりとした朝の白いテーブルクロスと
熱々のコーヒ ....
みずうみのほとりに
おいていった
うたが
あって
いつか
みずうみのほとりに
その
かかとをそろえて
おいていった
ものが
あった
*
なめらかに
さしのべる
....
生産性をアップさせるために
無駄をとれとかいうけれど
それはたぶん素晴らしいことだと思うけれど
承服しかねるじぶんもいたんだ
無駄なんてない、って
月あかりが万物にしみていました
....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう
老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
陸上競技の大会で
入賞した
優勝ではなかったけど
おにぎりが
少し塩辛い気がした
母さんが少し
変わった気がした
僕も
晴れわたる空
というわけではなかったけれど
い ....
なんでもないことのように日々が
過ぎる
実際はなんでもかんでもが
おこる
どうしようもなく失くしたり
左足だけ見えなくなったり
足りないながらも戻ったりするが
一切の感情は描かれず
ま ....
500万円の貯金をはたいて
4000万も募金をあつめて
アメリカの名医に頼んで
17時間にも及ぶ大手術の結果
脳が着脱可能になりました
そういう事を記者会見で言ったら
会場に詰めかけた報道 ....
石積みの朝
陸橋はその歪んだ影を
路面に落とし
昨日までの工程を語り終えると
あなたは静かに
最後の生理を迎えるのだった
+
足音が擦り切れていく
あなたにとっ ....
プリンは大変うまいが
もっとうまくしたいと思い
鰹の出汁を加えてみたところ
それは茶碗蒸しであると方々から叱られ
私は心に深い傷を負った
いいこと思いついたんだけどさ
まず滅茶苦茶いい詩を書くじゃん?
ポイントが最低でも30くらい付くような。
そんでそれを現代詩フォーラムに投稿するじゃん?
まあ、当然ポイント ....
ものごころついたときから
あるもよおしものが
そこでおこなわれていて
開催期間:ひとのきかん
とかかれてあるので
ふしぎにおもい
うけつけのおねえさんに
ひとのきかんとは
....
ビタミンが欠乏しているから
女にもてないと主張するFさん34歳
彼の朝は一杯のカフェオレから始まる
お気に入りのBGMを聞きながら
優雅に紫煙をくゆらせて
カフェオレを口にするたびに
苦み ....
たまたま日本人だった
たまたま男だった
たまたま右利で
たまたま魚座だった
たまたまA型で
たまたま佐賀の生まれ
たまたま親が離婚して
たまたま結婚が遅れた
たまたまイスラエル人で ....
アヒルにオセロで完敗した
俺はアヒル以下のくず野郎だ
もう二度とアヒルとはオセロなんかしない
アヒルとオセロをするくらいなら
ケツからビールを飲んだほうがましだ
そう言い残して家を飛び出した ....
某公園の池
15?先に浮く物体を指差し
「あ、白い水鳥。なんて鳥だろうね?」
「あれ、レジ袋だよ」
ここでまた一つ
小さな夢は潰された
学校帰りの道すがら
物体の手前3?
(あ ....
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