言葉の温度が
わかればいいのに
温かい言葉が
必要だというとこは
わかっているのに
どの言葉を
差し出していいのか
わからなくて
たくさんの言葉を
抱えたまま立ちすくむ
....
からっぽの
キャンディーの缶に
手を突っ込んだら
ひとつ残っていた
くっついていて
振っても音がしなかった
諦めなくて
よかった
苦しかった
「大丈夫?」なんて聞かないでくれよ
なんていえばいいんだよ
「大丈夫じゃないよ」
なんていえる勇気があるとでも思っているのか
....
楽しかった
なんてなぜ今さら思い返すんだろう
あの頃はそれが当たり前だったのに
楽しかった
あの時の気持ちは本物だったのかな
自分の思い出まで疑ってしまうんだよ
幸せな日々は過去形 ....
いわさきちひろは雨の匂いがした
ユトリロは水の底の幻に見えた
ミュシャは海岸の岩の上の魚みたいで
ムンクはいつも廃水の河みたいだし
モネは水面に写った幻想みたいだ
今日は雨だ
アスファ ....
ぼくの ては
なかへ なかへと
てを のばし
すべてを だいなしに
してしまった
あの はかなさを
いきること、というのだろう
あの こどうは
もとめる、ということなのだろう
....
ああ夢みたいだ
のみこんだ群青
ぼくを加速させる
きみは幾度も
刹那を待ってる
・
ながめる宇宙は
果てしないが
ぼくがいる世界は
ここにある
きみの瞳には ....
ビタミンが欠乏しているから
女にもてないと主張するFさん34歳
彼の朝は一杯のカフェオレから始まる
お気に入りのBGMを聞きながら
優雅に紫煙をくゆらせて
カフェオレを口にするたびに
苦み ....
なんどもなんども、
きえたくなったけど
それでもぼくはここにいて
しねっていわれても
まだ、
いきているきがする
ばかばかしいね、
こんなまいにち
にちじょうはすで ....
泣こう、
神様がよそ見をしている
そのすきに
比較的不幸なんです
退屈なのに困難なんです
悩んでたいんです
分類 エゴイスチック 劣等感
気持ちは日々進化
気持ちは日 ....
幼稚園のときおれはヒーローだった
椅子取りゲームでは最後まで残り
跳び箱はおれだけが六段まで跳べて
お遊戯会では最後の取りで
三人でやる踊りでセンターを張っていた
小学校のとき ....
いつのまにか 僕は 僕を 殺して
僕じゃない 僕が かわりに笑っていたんだ
いつのまにか そんな 日常が
楽になっちゃって
あの人もこの人もその人も
もしかしたら 君までも
だまし ....
一人ぼっちに なりたい なりたいって言ってた
私がついに一人ぼっちになった
二人でいることのわずらわしさばっかり
わかったつもりでいた私が一人ぼっちになった
そう思うとこの町は ....
手でつかもうとしても
空を切ってしまうのなら
ほのかに照らしてみるよ
温かなかたちが
浮かびあがってきたなら
崩れてしまわないうちに
そっと包み込んで
胸の中にしまっておくよ