ひとこいし と鏡月を仰ぐ
{ルビ藍玉=あいだま}の光に舞ひし 秋桜
遠き{ルビ海彼=かいひ}の 空に似たれば
コスモスの異名に大波斯 ....
中指は上に向けてよその中の愛を探っているつもりなら
嬉しげにぬらぬらの指見せつける…絡め捕られているとも知らず
煮詰めたシロップを
さらに煮詰めて
濃厚に
想いは
まさにそのようなもの
願いは
いつしかそのようなところ
跨いでゆく
艶のある微笑みに
触れる
甘美な快感に
時を預 ....
どこかに飛んでいくはずだった帽子が
西日のさすテーブルの上で丸い影を作る
流し込む午後のコーヒーは
ざらりとのどを茶色に染める
丸い影の中を
赤茶色のありが
右に左に 左 ....
偶然の思いつきで始まってしまったんだ。
何となく後には引けなくなっちゃって、
自分と誰かを傷つけてしまいそう。
離れてしまえばそれで済むと思ってたけど、
君が履いてるのは今も煤けたシューズ ....
ジョシ.ムーアが歌を作ってくれた
新しい歌だ タージリンティーを
2つのカップに入れながら聞いた
感想を求めず彼はお茶を飲んだ
「最近の寒さのせいでマフラーが
必要なんだ」と言 ....
味わう前に
切れてしまった賞味期限
消費して、
何のチカラがつくだろう
それでも、
食べたかったのよ
身体を駄目にしても、
食べてみたかっ ....
*
ずっと泣いていたの?
溜まった水の中
新しい命 光るよ
ここで待ってたの?
不足気味の酸素
だけどさ 少し温かい
やがて ここは海
海になるよ
....
ピンボールマシンの
メッキボールが
欲しかった
ラムネのビー玉より
重たく思え
それが
なんとなく魅力的で
惑わす鉄のボールは
ゆっくり放たれると
知らない道を駆け登り
ポコンと落ちる ....
いきて、しぬ。
いきることだけをかんがえても
しぬことだけをかんがえても
虚言癖の少年が膝を抱えてロッカーに沈む
鏡の中で暗闇を笑うその唇は月の鬱屈に鳴く
空白は色を失った兎のようにふらふらと漂う
滑る黄色を懐かしむその瞳に痛みをそっと、
....
秋の日に桜の枝を締め殺す
王冠が水に溶けて
変なの! 変なの!
明日のない海の、揺れの
静かに氷が焼け 氷柱が身体の芯に
首傾げる山脈
あなたの願いは叶うように出来てい ....