猫のいる角曲がる
冷たいバス一台
靴履いて踊る
カード屋の店主
寝転んだまま
樹林は日曜日
歯ぎしりを忘れて
ずっと待っていた
壁の入ったビン
3つだけもらった
赤い流体
....
曲がり角でぶつかるみたいに
言葉たちに出会って
だからページはいつも
四角くなっている
その扉をあければ
いつかゆけると信じ
夢を手放さないよに
手のひらぎゅっと握る
あの ....
{引用= ――はるな「桃のこと」に寄せて}
桃を剥く
なるたけ薄く
しゅるしゅると
あなたを剥く
透明な肉
最初に
いだかれた痛み
それ ....
じいちゃんが
死んで
棺桶に入れられた顔を
じっとみては
安心していたけれど
触ってみる気には
なれなかった
じいちゃんを
火で焼いて
消す
ひどく惨い
ごおごおと
火 ....
6ヶ月と13日間、待って待って待ち続け
ようやく巡ってきた
太陽を借りる順番。
昼休み、
市の職員から職場に電話がかかってきたとき
黒犬の奴は本当にうれしそうで
その日の午後の得意先回りで ....
なくしたもの
ここじゃないどこかで
落としてきたもの
きっと大事だったもの
ああ
いつになったら
涙はかたちになるかなぁ
アップルジュース 飲みたいね
アップルジュース お ....
妻
朝目覚む
早き時刻
妻に声をかく
名を呼べど答えず
名をもう一度呼ぶ
目を開けず
もしやとよく顔を見る
もしやと閉じた
目を開いてみる
妻にっこり笑みて ....
ジグソーパズルの
欠けた1ピースが
見つからない
左目をなくした
モナリザが恨めしそうに
見上げている
完全であることに
恋焦がれる病が
再発したらしい
散らかった机 ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
....
天井をかき分け浮いてまた沈む浮遊した昼チャイムは重く
ざわつきも混乱も日々続いてく国道沿いを見ては陽炎
いつだって風を待ってる蜃気楼オアシスがすぐそこにある
さみしい季節だと思ってた ....
詩ってなあに?
一糸{ルビ纏=まと}わない心のストリップ
恥ずかしがらずに心を{ルビ曝=さら}け出し
妖艶にお客さんを魅了すること・・かな
ご馳走ってなあに?
野山を駆け巡っ ....
どこにでもある平凡な幼稚園に
桃色ペリカンが園庭に降り立った
言葉が話せなくても
心と心が繋がっている
電車の連結のように
桃色の背中に園児の両手が
園児の背中に園児の両手が
ド ....
赤ん坊が
眠りの前にグズるのは
出来かけの『自我』が
眠りによって
消えてしまうのではないか?と、
言葉にする能力もなくただ浮かんでくる
恐怖と不安からではないか?
そう最近思う
....
どうして笑っているの
たくさん わたしたちは生きている
どうして泣いているの
たくさん わたしたちは歩いている
どこにいっても
どこにいても
こどうとともに
だれかをおもう
こ ....
獰猛な牙
私の腰まである肩骨
力強く張った後ろ足
しなやかで長い背骨 尻尾の先まで
虎の骨
きっと熱帯雨林の奥で
この巨体で獲物を待ち伏せしながら
たくましくしぶとく生きていた
....
もしも会社から連絡が来たら
死んだということにしておいてください
と
まじめに言ったら
笑われてしまいました
わたしが見た中で
いちばんのあなたの笑顔でした
死んだということ ....
じわりじわりと 人の肩にそっと触れては
血をにじますように
わたしは、雨です。
ともだちは
長い針を射るはやさでおちていき
アスファルトにクラッシュしました
両親はずっとずっと厚い御空のふ ....
自由の翼が手に
入ったとしても
額縁の絵の中を
飛ぶことぐらい
しかできないし
お洒落な足かせ
をガチャガチャ
いわせながら記
号でお喋りして
いたほうが楽し
いかもしれな ....
これを歩いてけば
あなたの住む
あの町に
行けるかな?
無理だよ
って 笑うけどさ
会いたいんよ
ものすごく
....
いま、わたしは
とてもかなしいのかな
うれしいのかな
シチューの丸く白いごぽごぽ
なにも変わらない、にちじょう。
そういえば今日は、しゅくじつだ
しゅくじつだった
おとといは ....
夜道帰り道
いえまでの道のまんなかで
ねこか犬か、なにか抱えたまましゃがんでいる人がいたから
こわかった
今までわたしが言ってきたこと
も何も
きみは君の生きていく道に
なんら交 ....