私は雨に浮かれ
溺れた蚯蚓
今はもう動かない
微かな夢を抱いたまま
甘い波に飲まれて沈む
此の時初めて
手足の無きことを
憾んだかもしれない
抗うためではなく
ただ泳ぎたかった
....
トリスタン・ツァラの
傷ついたガラスの翼が
電線にとまっている
厚い黒雲の下
かすかな光を受けて
誰でもない誰かの夢の投影機
初期宇宙のスープの中を漂っていた
清潔な怒りは
未来で ....
川の終わる街、海の始まる街
埋め立て地の煙突は
今はもう消えた海水浴客の嬌声を響かせながら
夏の日にゆらめいている
コーンスターチのむせ返るような匂いは
街の健康的な精神の象徴として
寛容 ....