ほんとうに心配なことは
まるごと天に預けよう
あまりに小さいこの両手は
潮騒を秘める貝として、そっと重ねる
さようなら ただそれだけを繰り返すために頼んだレモンティーの味
さよならを窓にうつして発車する 出会いと別れがこの中にある
宇宙食がいっぱいあればいいのにね きっとどこかへ行けちゃうのにね ....
いいから、と君が言うからいいかあ、と とろけてゆくの朝の素肌に
もう顔も見たくないのにあの海の写真のきみは女神みたいだ
かなしいよ、かなしいよああ、どうでもいいチャンネルにして少し ....
町田はタマネギだ
幼稚園の年少組だった私は
引っ越す前日になって
狭い庭の片隅に
茎を伸ばしはじめて食べ損ねた
タマネギを埋めたから
改札を抜けると
思い出の場所など
思い出せもし ....
渇いた瞼に浮かび上がる人影
昇り損ねた月が沈む辺りで
ひと滴の涙も見当たらない
ノックの響かない扉の向こう
風の通らない廊下で
お皿に並べた低音のハミング
半透明が重なる花 ....
みんな1.5リットルペットボトルいっぱいに
メロンソーダを詰めて来るなか
ひときわ量の少ないメロンソーダがあった
ぼくは、ほんの少し
なにか起きることを期待した