トーストで始める朝
太陽色に焼けた元気に
昼までもつ笑顔をのせる
おはよう コーンクリーム
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
曇った窓ガラスに
家の印をつけて
それから
母の勤めている店の印をつけて
でたらめな道でつなげる
窓が汚れるから、と
後で怒られたけれど
それがわたしの初めて描いた
世界地図でした ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた
それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
探しものはあっちみたいだ
ゆっくりと
確実に
足取りは早くなる
あおそらの下
知らない内に僕は笑って
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居な ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
冬枯れのわたし
は
どうすればいいでしょうか
たしかに
花びらはまだついて
いるのだけど
見向きもされず
時間も忘れるほどにあなた
種さえ枯れて
見えない粒
触れるだけでもう
折れる準備はできて ....
さぁ コーヒーをもらおうかな
ブルーの空 いれたての春
風にとけるまえにほら、
今朝も電車の中で
僕はすし詰め
くたびれた背中のお米達に
すき間なく囲まれて
まぐろの気持が少しわかった
目を閉じると
あのきれいな木目の板へと
運ばれてゆくのを感じる
「 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
気がつけば
とても遠くまで来てしまっていて
見たこともない風景に囲まれて
わたしが
呆然と立ち尽くしているのを
わたしは
見つけた
怖くなって眼を閉じたら
見たこともない風景は
....
夜の浜辺で一人
寂しい叫びを{ルビ宇宙=そら}に放り投げる
震える声は
一枚の手紙となって、舞い上がり
静かな波の唸りの上を、舞い上がり
海の{ルビ面=も}の、
月の光の道の上を、舞い ....
■宮澤賢治
さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
プリンが食べたいの
入院している妻がそう言うので
会社の帰りにコンビニに寄って
プッチンプリンを買って面会に行った
病室の硬いベッドに二人並んで腰掛けて
プッチンプリンを食べながら
や ....
青い雪に優しく反射を
日が鈍く曲がり降ります
堅い 青い海の上に君は立つ
黒い 傘なんて持ちながら
雪が
自由にしてくれると言うの
で歩き出すと
なみだが
サクサク落ち
みみやはながぼとぼと落ち
ゆびなどもぽろぽろぽろぽろ落ちて
振り返ると
うでもあしも全部
....
ちいさなときからいつも
あなたはいました
呼びかけたことも
あったように思います
部活をさぼって
学校の裏の給水塔から
校庭をみおろしていたときも
みんなが塾に行ってしまうの ....
おおきい かあさん おおきいな
ちいさい とうさん ちいさいな
ひるね ひるね らいおん ひるね
おしろのてっぺん こうじちゅう
+
さとうと えんぴつ けんかし ....
夏のあいだ
身を粉にして働いた
何も言ってはくれないが
役に立てていた
はずだ
もうじき
雪 ....
116時 @ハト通信
めそめそ
やぎがないています
またやってしまったんですか
めそめそ
おてがみなら
きっとまた
とどきますよ
めそめ ....
14歳の冬
生理が1ヶ月近く
止まらなかったことがあった
わたしは学校で倒れ
保健室に運ばれた
どうしたのと先生に
やさしく聞かれても
上手く話せない
自分でもわからない
母親に病院 ....
夜空に咲いた
大きな花は
季節を巡った花弁を
風に乗せて
花粉を撒き散らしながら
とけて
とけて
大地へ
降り注ぐ
....
→
おなかがすいたらごはんをたべよう↓
よ そ
た で
な も
か い
....
a)
足りない
右の手
に
朝
本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま
b)
たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
コミック。
一見、不条理系の作風とも観得ますが、其れに反して主題は中々重たい物が多いです。
読み応え在ります。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hirofumi/hi ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
夜更けに
タンタンとタイヤを鳴らし
鉄の階段を降りて
僕の自転車が
外へと出掛けて行きます
(ほんとうは僕の自転車ではない
きみから借りたままのもの)
マウンテンバイクだから
....
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