空の不具合
塗りつぶし
雨の服装
脱ぎ捨てた
虹の伏線
引きながら
恋の複雑
すり抜ける
夏へ吹く風
手を引かれ
傷を含めて
混ざり合う
理想ばかりを
砂に描いて ....
ねむりの終わりに
瞼があいてしまえば
また自分が始まる
他のものは始まらない
たとえば昼に
たとえば夜に歩きながら
誰かをあなたと呼び
夢をみる癖は直らない
いいかい僕はね
....
内声の矛盾した響きのなんと美しいことか
脳を溶かささる君の意味の溶けかかる声の響きに未開人のボクが
「おー」
肯定の意味もあるし否定ってこともある
嬉しいときも悲しいときも ....
とうめいになりたいとねがった。
かぎりなく、ゼロに近いとうめい。
たとえば、試験管の底みたいな。
たとえば、暗闇に光る街灯のオレンジみたいな。
....
月に幾度か
お目見えできるあの人は
恋をするんだろうか
何かに欲情したり泣いたり怒ったりするんだろうか
無表情でとてつもないオーラ
剥き出しの個性
半径5メートルの範囲で
心 ....
この部屋が薄暗いのは
私の居場所として相応しくあってもらいたいから
曇ってくれてありがとう
ただ忘れられなかった
南風は強く吹き込んで
すっと紙を飛ばす
私はそれを拾い上げて
必 ....
言葉がひどく散文的にしか並ばない時がある
閉じているところがなくって恥ずかしい夜
開ききった眼が生きている明け方
まっすぐに
言葉が届いてしまう夏の朝のことだ
嘘吐く口の中に真実が潜んで ....
きのう、神様を見たよ
公園のブランコのつくる三角形の奥で
神様は、がんばってた
神様だって、がんばってる
怠け者の寝言、偽善者の讒言
もういいからみんな消 ....
「すきだよ」とか
「そばにいてよ」とか
「会えないときもお前のこと考えてるよ」とか
嘘つき
本当はあたしのことなんか
ちっともすきじゃないくせに
すきだけど
すきだけど
....
共感なんてしたら負け
こっそり感動する
でも嫌味を言いたい
これ以上ない無言の暴力を振るわれる
不貞腐れる
それが力になる
負け惜しみで自分をやっつける
そう簡単ではない
取り返し ....
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探っ ....
欲しいもの等
モノが溢れ過ぎて
選べない世界
見るもの全て
全てが流れ過ぎて
混乱する世界
緊迫する 今日
難解する 明日
....