カッ、カッ、カッ、カッ

無心に響く物書きの音

カッ、カッ、カッ、パラッ

あっ、もう誰かが裏をめくった

カッ、カッ、カッ、カッ

――――ハクション!


一斉に持 ....
君のセーラー服のスカートの
いわばちいさな海のようなプリーツと
さっきからずっと飛び回っている
黒いちょうちょの羽についている窓に
使い終わった水彩絵の具のパレット
みたいな夕暮れの ....
今日は実際どうしようもない一日だった

昼前まで寝て起きてを繰り返し
かん・びん・ペットボトルのゴミを捨てようと
ゴミ捨て場に行ったらもう回収されてて
夕方までゲームをしたり
オナホールを ....
 閉じられた
 闇のなかのページがある
 その紙の隅に
 わたしは捺印した
 血潮の押捺
 同じくナイフで人差し指を
 切ったあなたが
 わたしの指に重ねる
 血潮の性交
 血潮の婚 ....
朝寒くて目が覚め
コーヒー飲んで
コタツに入って
ボーっとする。

大塚愛を聞き
目を覚ます。
花粉症か?
鼻が出る。

冷蔵庫に入っている
リンゴを出して
かじりつく
すっ ....
どうして、僕たちはこんな歪んだ形でしか表現できない?
好きなことを好きだと、嫌なことを嫌だと、何故言えない?

いつからこうなった?
もう子供のままではいられないのか?
ずっと子供のままでいてはいけな ....
僕も潜在的な この手と足を
怪我をさせてみようか
「速度」に置いていかせた
素直さをきっと取り戻すため

走り続けてきたなら
突然停まらないほうがいい
流れて見えていた景色に
ふと目を ....
とっくに詩人でなんかなかったことを
ようやく認めようとしている

 もういらない飽きた
 雪でもいい 食べたい

とっくに凍えて死ねてしまうのに
肌の強さで生きてしまえる
身体は絶えず ....
人間は、皆、光源だ。

ただし、輝いている人ほど強い光源だ、という意味ではない。 



光源は自分を照らすことができない。

必ず、誰かを照らす存在だ。照らすだけでは輝けない。

 ....
色んな人がいる。



楽しそうに騒ぐ人達。

ゆったりと話をする人達。

孤立している人達。

あちこちをうろうろしている人達。



教室という名の小宇宙を一目見渡すだ ....
「永遠なんてない。」


そう言い切った俺を
信じられない、
というふうな顔で
ただぽかんと
言葉を無くす
目の前の子に
俺は本当に、
心から、
申し訳ないなあ、
 ....
かくれんぼかくれんぼ
かくれんぼまだだよ
夕暮れマダーだよ

ユウグレー のびてくのびてくのびていく

かげやなんやかや

おだんごかじったり
なんやかやなんやかや
月がかけてきま ....
はるか遠くで
待ってて

遠くて遠くて
別の道を行くけど


きらきらした世界に

眩しさも感じるし


あたしを賭けて

生きる意味を感じたいけど


まだ
 ....
ありのままに
よごれていけたら、いいね

きっと、
すべてを
にくめぬように
そまればいい、
ただ

たとえ
だれかが
よごれ、とよんでも
それはかならず
うつくしい ....
ひとりが
ふたりになっていくのがわかる

噛み合っていた歯が抜けていく
背中が剥がれて
一分が長い

あなたはあなたと会話する
わたしはあなたを盗み見る
ひとりがふたりになっていく
 ....
洗濯機を開けた時の

むせかえるような匂いの中に

なつかしい記憶がよみがえってきた。



隣に並んでご飯作ったっけ
トイレの掃除は替わりばんこだったな


あの電柱のところ ....
黒板のように冷えた庭に
青い椅子を二つしつらえ
朝の風を呼んで座らせた

そして二人で思い出した
夕暮れの曇った空を映して
川の水がうわごとのように黒くうねっていたこと
雪の木肌から生ま ....
電車のドアが閉まる

それを見送る

乗るべき電車は
まだ来ない



僕の帰る町にも
やみそうでやまない
雨は降っているのかしらん



「あまりよく知らない人たち ....


そして皮膚が脱げていく
鳥になって
JRの中にすごいあふれて
ホームのドアが開くたびに散らばって
ぶわっとなりながら
短い永遠とたましいを乗り換え
不安と怒りは眠りと平坦な祈りに ....
殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた

乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
つまずきなさい、
何度でも

ほんとの意味のつまずきに
出会うときまで
何度でも



傷つきなさい、
何度でも

深手のつもり、で
いられるうちに
癒しのすべが
 ....
もしも
花弁が落ちたなら
終わりましょう、
きょうを

あしたを向いて


もしも吐息を
こおらせたなら
呼び直しましょう、
水の微熱を

いのちの名前を


 ....
棘の道はいくつも続き

安穏とした日々はもはやない

暗い夜道に森は立ちはだかり

恋人と生き別れる

光だったあなたは

今やあたしを悩ませる罠

振り返らないと決めても
 ....
蒸す夜の リージェントホテルの地下
急な階段を降りると 黒い扉が開く
すっとした冷気と
スモーキーな空間に吸い込まれて
おもわず{ルビ噎=む}せてしまうほどの

カウンターでバーボンコーク ....
眠れない夜
詩が書きたくなった
誰かに伝えたいわけじゃない
誰かに存在を知って欲しくなった

S・O・S
愛だの世界だの大口叩いてはみたけれど
正体はただの寂しがりやなんです


 ....
{画像=080802125241.jpg}

梅雨明けは嘘だった
というような空模様だよ


交差点の上には
大きな曇り空があって
今日一日分の雨の塊が
固まって浮かんでいる

 ....
夢を見た
走り続ける夢

人混みを駆け抜け
雨の中を走り

まだ走る
走り続ける夢


いったい私は
どこへ行きたいのか
何になりたいのか


泥に飲み込まれるような疲労 ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう

果てのみえない
かなしみの

ひと粒として
あらわれましょう



雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
 ....
てゆーか旅と言ったら死体を探す意味で
凪いだ東京湾の沈んでいるヘドロとか
晴海の奥の草地に放棄されている冷蔵庫の中身に十字架を切る
みたいな
永遠に浮かぶことのない人たちみたく
あ ....
震えるぐらいの銀色で
嫌われ者が震えている
脂肪まみれでブヨブヨの
嫌われ者が震えている
なあ おい
肉食わせろよ
メタリックな肉がいいよ
はやく食わせろよ
肉肉肉肉肉肉
こけしが階 ....
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