:うっかりおとした粗塩
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯
それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます
羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....
手のそのそうたぶんここがもっとこんな感じの線が、
が、が、薬指の第一間接を。
曲げられないものか。
カラレルロ。カラレルロ。
唱えたら、ぼくらはきっと楽しい。
カラレルロ。
....
飾り立てられた言葉は 嫌い
朱塗りの言葉は つやつやと
思いを塗り固めてしまうから
花の添えられた言葉は それだけで
香りが強すぎるものだから
ガラスケースに入れられた言葉は 実 ....
カランカラン
乾いた音を立てて
転がってきたものは
骨だった
中は空洞になっている
拾い上げ中を覗きこむと
そこには子供の僕がいて
頬を腫らせて泣きじゃくっていた
そこ ....
いつだって街灯は
見なければならないものしか
見せてくれないので
夜は直方体の中で俯せていて
換気扇は回さないでいる
ホラー映画を明るい部屋で見ていて
終わってから突然笑い出す ....
猿が猿のようにスイッチを押したって 誰もびっくりしないはずだ
だが地球の裏側では その間に核爆弾が百発落ちていた
猿が突然玄関に現れると みんなびっくりする
人語を解せばなおさらだ
奥さん ....
悲しみてぇもんは
大きかろうが
小さかろうが
とんでもなく重たい荷物
持主にしかどんなに重いかわからない
かわりに持ってやる事もできない
置いていこうにも手からはなれない
とんでもな ....
魔法使いを名乗る人がいた
学校の帰り道丘の上でぼんやりと空を見上げる男
それが魔法使い
知らない人と極端に話すことを恐れ
遠回りに帰る背中の後ろで
魔法使いはただ空を見ていた ....
あいります。
程度、その刹那
あいります。
夢ならね、少しは躁
あいります。
違う
あいります。
ちょっと待って
あいります。
止まんないのね
あいります。
程度、その ....
冷たい水の熱さに触れ
公園に立つ冬を見る
檻のなかの時計と噴水
公園に歌う冬を見る
風は痛く
水は閉じる
風はたくさんのものを集めている
誰もいない道を
ひとつ ....
神ガカル文面を
鈍行列車に乗せて
目的地には
停まらないのが
亡霊日和
日が暮れよると
鈍光が生まれ
メキメキと連結は乱れ
吊り革は百足のツメ
ああ先ほどから
笑っておりま ....
きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
電柱の光の下
吹雪の光の下
からだに積もる雪をはらう子
はらってもはらっても
雪は来て
髪は 揺れて
通り過ぎる低い光に
風は終わり
また はじ ....
どうしてそんなに劇的な寝言を曰えるのか
その含蓄から今見ているであろう夢を類推するにも
どういう廃都なんだそこは 寝顔に含羞 含み笑い
(枕にしみ)(涎の)
その恥じらいつつ発話しているのは ....
やまだせんせいも
ポチも
たばこやのおばちゃんも
そうたくんも
りょーかも
りょーかのかれしも
おじいさんも
モトカレも
おてんきのおねえさんも
ありっちも
エリスも
おにいちゃ ....
正座でボロボロのリズムを刻みながら 栄光を観察する
牛耳られた暴言の隙間隙間にいれば 沈黙がヌードを披露する
命令好きなアミューズメント色を排除 そうすれば 正解が浮遊する
スプリットから除 ....
丸まったマフラーがぼくらの頭に見えます
黒かったので
そういえば ぼくの20万円はたいた
この出入口も黒いのですが
むかし 色はつくれません
ぼくらは 植物と一緒にくらしてきたので
R ....
まだ戻さ ないで
サイコロに手をかぶせるときのやり方を
ここから取り出すよ 守らない日には
のどから通って何かが落ちるように
小指まだ 隠すとこで
誰かが間違わないようにって思える僕たち ....
キルクルとスコットは僕の見える場所にいるはずなのに
忘れようとして忘れられるものは
そんなにあるもんじゃない
すぐに忘れることなんて別に忘れたくて忘れるわけではなく
キルクルはそん ....
○ところで皆さん!
ところで皆さん!
口を開けてください!
と、日記に書いた
書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている
....
お前は不器用な人間だなァ。
と夕暮れの日
放課後のあのたわいも無い会話の中で
先生が言った
私は彼の目をジと見つめた
彼は気にした様子も無く進路の話をひたすらに
器用な人間など ....
槍投げですか。
投げやりだが、
おうおう。
なんだよ、特に話すことはないよ、
別に、
それは、最初はあれだね、
まいいや、いそがしくてってて
仕事なんでば。ん、なんだ ....
走る光 歩む光
過ぎ去る光の姿に照らされ
棘を持つ動かぬかたちの影が
夜を動かす歯車のように廻る
道を削ぐ車輪の音があり
夜の真上を曇らせてゆく
らせんの山 ....
人真似の好きな天才稚な顔した細い目の
一羽の鸚鵡が髪ふり乱して沈思黙考の果て
遂に決意したのは消えてしまった空洞の
あの至高の権力者をまねること。かくて
長大な計画は練られ一流官庁企業をあ ....
曇り日の
凪いだ海に漂う
うつぶせなサーファー等の上に舞う
アホウ鳥の{ルビ呑気=のんき}な飛翔を眺めつつ
{ルビ理由=わけ}もなく
「にたぁ」とほほえんでみる
僕は
もう
疲 ....