空の高いところからするすると
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ

ほうっとしてると
たくさん食べられてきた ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
触覚の先端ではもう無くしたての繊細な産毛
 幾千とおりの声が転回を始めている
  その閃光は深く深く脳を焦がし
   僕の両手から溢れるハチミツを虹色に染め
    やわらかく着地 ....
僕たちが独りよがりだと信じて疑わないものは
多くの場合季節の風にさらされている
目や鼻や口
優しくしないでください、と懇願する未亡人の喪服に
しめやかな線香の香りがつく頃になると
 ....
見知らぬ少年が大きくなり
間違えていないか
何度か数えなおしてみる
口あとの残った譜面や
カロリーの低い清涼飲料水
忘れるたびに覚えていく
右手では保つことのできない
左手のもの ....
今赤き風船ひとつきみの手をはなれ空へと浮気なぼくら


胎動を促すごとく数々の伏線蜘蛛の巣顔にかぶれば


ソヴィエトで焚き火にあたっている少女大陸横断鉄道の窓


金魚鉢のふちで指 ....
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも


コスモスの群がる丘で赤と青 少年少女が燃やすむらさき


錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら


降 ....
夜にしか会えないわたしたちだった合わない靴を無理して履いて


クラクション鳴らすあなたの矛先はわたしと彼女のちょうど真ん中


コーヒーを投げるあなたの手の平は薬指から冷めてゆくのね
 ....
生徒数ふたりの村の学校の日直いまだ解かれざるまま


箱舟に辞書を積み込み忘れたがために無数の言葉も消える


ソドムとゆう街が滅びたときでさえどこかで恋が芽生えただろう


「カイ ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼ ....
あなたの手のひれが
わたしの頬にふれる、

見ているだけでは
かからなかった暗示は  せつな
私を滑らせる

あなたの指紋は渦となり
巻かれた貝奥の私を
するりと抜きおと ....
テレビなどを見ていると
むかし憧れていたアイドルたちが、みんな
おじさんやおばさんになっているのにビックリする
そりゃあ、僕らも歳をとるわけだ
で、最近、酸っぱいものが無性に食べたくな ....
昆虫を描いてばかりいる少年が
今日は汽車の絵を描いた
たび
と口にしてみる
えい、やっ
気持ちをくしゃくしゃに丸めたい気持ちになって
余白にひどく不釣合いな
一匹のノコギリク ....
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど


まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜


悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
バス停で君を待ってる手の平に人とゆう字を千回書いて


鉄棒に逆上がりして校庭を空へと落とすサッカー部員


難解な数の定理を飛び越えてブッダのように眠ってるきみ


教科書の隅に落 ....
ゴンザレス、生まれてこの方メキシコ人
今朝も早くからメキシコ風のシチューを
食べる
ゴンザレスを見守るゴンザレスの兄
生まれてこの方メキシコ人の兄
港の町では遠い海で漁をする季節
 ....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
余計なものはすべて捨てた
部屋にはダンボール箱が一つ
私は体を折りたたんでその中に入り
蓋を閉める

部屋には今、箱だけがある
本日はお日柄もよろしく
押入れの中は相変わらずのじめじめ模様が続きます
いつまでこの暗闇の中でかくれんぼをしなければならないのか
親方にも僕にもよくわかりません
ただ、かび臭い布団や枕 ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
階段を降りると
昨日よりふかふかしていて
昔のおじいさんの背中を踏んづけているような
申し訳ない気持ちでいっぱいになる
急いで二階からエレベーターに乗り
皆に白い目でにらまれるけど
 ....
ラインマーカーでチェックしているうちに
すべてのことが大切に思えてくる
上下左右の空白も妙に気になって
塗りつぶしたりする
頭の中がまっ黄色になって
何ひとつ覚えられない
だから今日も ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
バス停に立っている男の人を見て
フラミンゴだと思った
眼鏡をかけ
顔色は浅黒く
腹がぽこりとつき出ている
かつて、そんなフラミンゴを見たことがあるか
そうでなければ
自分がフラミ ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
鈍行列車で消火活動に行きましょう
なんて、いかしたメールが
彼女から届いた
僕といえば魂は確かにあるはずなのに
それを入れる器が見つからなくて
朝からオロオロしっぱなしだ
入道雲の ....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
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