誰かの哀しみを拾い上げる
冷たい小糠雨に濡れ
誰かの哀しみは
つぶらな瞳でわたしを見上げたように思えて
この胸に優しく抱きかかえた
歩道橋下の暗がりで拾い上げた
誰かの哀しみは
手の ....
猫のあくび
窓辺のコスモス
いろあせたオルゴール
金魚のあぶく
ハチミツ入りの紅茶
それから
きみ
そういうやさ ....
ねぇ、死んじゃったら
なにも見れなくなるんだよね?
なにも伝えられなくなっちゃうんだよね?
そこには、なにもなくなっちゃうの?
なにも残らないの?
天国にいくの? ....
夜のような血液に充たされたい時があって、
なけない時は特に 私の腕に涙を流してみる
感情の臨界点を探している
蓋のない砂漠を見ている
砂塵に呑み込まれて蜃気楼
くらくらする頭、エ ....
あなたの目に映ってゆくのは
時の重なりとか
澄みきった空の青さだとか
古くなってゆく物たちだとか
沢山の感情との出会いや
沢山の自然の形だったり
あるいは自分の姿だったり
生 ....
職場で苦手な○○さんに
さりげない手つきで
そっとコーヒーを出してみる
四方八方からお客に呼ばれ
慌てふためきそうな時に
地に足つけて
「一つずつ」をこなしてみる
こ ....
わたしが誰かに優しくしてあげると
そのひとがまた誰かに優しくしてあげて
またその誰かがまたちがう誰かに優しくしてあげて
まわりまわってしらない間に
わたしが全然しらない誰か ....
舞いながら手を振るように燃える紙
「もういい」と決めた午後三時
欠落した感情を綴ることに筆を置いた
要らないものは捨てていく
空から降ってきたそれは灰ではなく
以前日記に残した私の ....
私という人型の中に何が詰まっているのかわからない
何もかもを吐き出してすっきりしてしまいたい衝動と
がらんどうの空虚がもたらす耐え難い寂しさを
背反して同時に持つ
もしかした ....
儚い命
霞み草
夜明け
笛の音
異次元
静寂感
散る花
木の音
虫の声
夕立の
相合傘
雫の音
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい
2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
四角い窓からみた海に
オリオン座が落ちてった
僕はそれを電車の窓からも
見たような気がした
ちいさなリゲル
君の名前に似たリゲル
制服のリボンタイの匂い
香水と煙草のまじった匂い ....
おめかししてまいりましょう
からす瓜もほんのり色づいて
アザミの花が熱いため息ついたから
あなたに逢いたくなりました
おめかししてまいりましょう
赤いカエデに負けないように
くちび ....
現実はいつも
残酷な音をたてるからね
いまだに
感情をふりきれないこの男は
情けない、と
つぶやくコトバ以外を思い浮かべられなかった
あてもなく
わらい顔をつくっ ....
あなたの言うつまらないことで
空のブルーがわらいます
色えんぴつをかじったら、
少しだけストロベリーの味がしました
あなたの笑顔で
お菓子の家のチョコレートが溶けて
それは大きな海にな ....
「ゆうれい列車」
ホームで下を向いていたので
うっかり
ゆうれい列車に乗り込んでしまった
しまった
向かい合った二列のゆうれいたちが
脚をそろえて腰掛けている
脚は途中か ....
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