気の向くまま
足の向くままの
ひとり旅
ゆらゆら揺られ
向かう旅先に
とうに気付いてたはずの
色の変化
知らされる
悲しみと平和の街
これから ....
宇宙の中にかたつむりが咲いている
無重力の中、黄緑の飴玉が雨のように落下していく
みずみずしい果物が口から溢れる今その瞬間が
ブラックホールに吸い込まれて消え失せた
宇宙人 ....
いのちを
す て た
ビニール袋に入った命
感情のない指先から落とされた
見よ 馬車!馬車!馬車! 偏見なる眼差し
安い賃金が笑っているではないか 黒いボロ雑巾の中
マグマの塩酸 ....
ただ絶望して
まっすぐ炬燵に落っこちた
寒い夜だ
時雨という
美しい名をした雨が
しとしと降っていた
人はこの名を愛すというが
温度はまるで刺すようで
指はきんきん
....
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暖かい
春の時間を
刻みつつ
チャキチャキと
鳴る
電気時計
この拳
空気の鏡にめり込ませた
英雄は、寂しいもんかい、
暗い顔をして笑ったのは
そうさ、
このおれさ
この拳
空気の鏡にめり込ませた
英雄は、 ....
待合室の本棚で
文脈が所在なく足を抱えている
現代の錬金術師が白衣を着込み
セロトニンとドパミンを調律する
部屋の隅々まで描いた木は私は統計になる
意識が目の裏と舌の上で目まぐるしく動き
....
エンジンのいらない 未来の飛行機が ひんやりとしずかに 旋回している メキシコのような景色の あちらこちらで 牛の化石が見つかり どれもこれも 老衰に違いない 長い時間を生きたのに 石になるまでには ....
うんこ
メモ用紙のすみに鉛筆で走り書き
それはただのうんこ
つまらないうんこ
活字のうんこ
活字でうんこ
それはちょっとした事件
活字「うんこ」は読むものの ....
オレンジは青で汚れている
影絵のような駅舎をすぎる
夕暮れはだれかのカルテだ
西方の空が
光ではないもので
輝いている
オレンジは青で汚れている
影絵のような駅舎をすぎる
夕暮れは ....
あたしが
おしっこを
もらしそうになると
あたしに
数えろと命じる
あなたは遠い毒薬だ
神様の(宇宙の意志の)
その設計思想を
知りたいんだ(物真似 ....
現代詩フォーラムの
はじめましての投稿欄に
小川 葉さんの投稿があった
同姓同名なんだなあと思いながら
投稿内容を見ると
すべて脈絡のない
アルファベットと記号の羅列で
ウィルスコードの ....
回る
火のついた犬のように
走りながら
回って今日一日の
憂愁を追う
今日も丹沢の山は見事に鋭角で
背後の空からくっきりと浮かび上がっている
おそらく上州前橋から見る山なみと
そう変る ....
雨にも弱気
風にも弱気
雪にも夏の暑さにも耐えられぬ
病弱なからだをもち
貪欲で
決して譲らず
いつも誰かに文句を言っている
一日にお菓子二袋と
コー ....