春霞たなびく青山(せいざん)の林の中で
猛然と一本の白樺を犯してをりますと
感極まった白樺は、小枝を私の左目に突き立てまして
・・・男冥利に尽きます

その時に孕ませた双子のうち
一人は聖 ....
二十年ぶりに故郷に帰ってきた。友人知人はもとより無く、親類縁者もみなゐなくなってしまった田舎町へと、ただ感傷を慰めるためだけに、一人ふらりと立ち寄ったのだった。風はさやかに吹いてゐただらうか・・・?  .... 少し伸びた髪のあたりから
あなたは植物になって
黙ってしまった

毎日少しずつ水やりをして
葉だけが生い茂り
花はまだ咲かなかった

自分でやったのか
間引かれた葉が
土の上に冷た ....
 四、五日前から眠れぬ夜が続くので、
なんだかすべてがぼやけて見えます。
 あなたからの手紙で十分励ましてもらったのに、
この淋しさと虚しさはいっこうに立ち去ろうとしないのです。
それどころか ....
僕の家の前をくるりくるりと回りながら通り過ぎる人々がいるよ。
だから僕はそいつらに食べかけのピザを投げつけてやるんだ。
一方、その頃クラスのみんなは世界史でフランス革命について学んでいる!
 ....
ある日彼は突然発狂した。そのとき私は彼と一緒に部屋にいた。突然彼は自分の眼球をえぐりだしたのだ。数時間の苦しみの後彼は息絶えた。もはや彼はいない。私の唯一の友人だった。率直に言って残念なことだ。彼の魅 .... ティースプーン2本が
彼の人生の全てだった
安いアルミで出来たそれは
既に古ぼけ
2本重ねてもぴったり合う事は無く
カチカチと無機質な音を鳴らした
男はそれが好きだったし
いつもポケット ....
銀色のケトルが鳴く
耐え切れずに

もう
私はおしまいだよ と
あらん限りの
声をあげて

鳴く
鳴き狂う
誰か止めて止めて止めて
さもないと

さもないと?

ひざを抱 ....
ある人はそれを「雨」だと言った。

またある人はそれを「雪」だといったし、

偉い学者は「塵の一種」だと力説した。



ある日細かいものが降ってきた。

パラパラと人が気づくかど ....
 
 
 
 
きみはコーラを飲み干せない
柴犬のジョンは鳴けない
そしてぼくは笑わない
 
3つ揃うと
「不幸」
ができた
 
きらきら光る
「不幸」
だった
 
  ....
『鼻を失敗したの』
『だから自殺するの』
吊り革を握る手に力が入る。私は、隣りに立つ女が手に持ってゐる、携帯電話の液晶画面を盗み見てゐた。
『目はうまくいったんだけど』
女の髪は長く、俯いてゐ ....
「今日のやうにじめじめしてゐますと出ますので」
晩秋のたそがれ刻、男は陰気に呟いた。
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出るかと聞くと、出ると言ふ。今まで何度も見たと言ふ。
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