きれいな声で
うたってた
金糸雀みたいに
誰もいなくなった教室にかばんを置いて
二階の廊下から駐輪場を眺めながら
校庭でもくもくと走りながら
ボールの弾む体育館で人知れず
ほんとうに ....
書いておかないといけないのかな
十一月の林檎もぎをする足元に咲く
たんぽぽと
実った林檎をもぎ取る同じ時期に
今年は 林檎の花が咲いている
全部ではないけれど 全部だったら破滅だけど
....
足元が霞んでいく
進むごとに
そんなこと
とっくにお見通し
突き出した指の先
新しい冬の風が
舐めていった
夢を見てたんだ
極彩色の
鮮やかな天国
ああ
過ぎていった季節 ....
こんがり焼けるけむりの下で
ぼんぼちねぎまの熱いほおずり
つくねかわいや かわいやつくね
つづく玉道 こがねに丸い
塩かしょうゆかはたまたたれか
迷うもうれしや 炭火の前で
....
ねぇ
ぼくたちは、
もっと、笑っていてもいいと思うんだ
もっと、はにかんでいたっていいと思うんだ
むずかしいこととかじゃなくて
かなしいくらいの澄んだ青空を見上げていて、 ....
いつだってそこには
かび臭い歌が転がっている
いとしくて やさしくて
ぼくはまだ
泣くこともできない
さびしくなりたい
すこし
さびしくなりたいんだ
枯れずに散った ....
現在は遠く離れてしまい
過去が目の前に現れた
どんなフィルターも通さない
深い信頼に満ちた現在は
地球上に舞い降りた天使で
絶え間なく優しさを降り注ぐ
太陽のようであったが
一つの闇
....
崩れた崖にしか
射せない陽射しがある
とがった石くれが こぼれ
風に拾われた 影を埋めた
朝焼けを浴びて 土の奥が泡立つ
浮かばなかった あの想いが
花のように上を向いて
踏 ....
なぜだか
ほんの少しだけ
淋しいのは
どうしてなのでしょう
綺麗な夜景は
思いのほか冷たくて
なぜだか
妙に泣きたくなるのです
悲しい出来事など
捉えてはいないのに
....
ぼくら凡人は
すぐあやまちを犯す
ぼくら凡人は
すぐあやまちに酔う
そして
別のあやまちを重ねる
もう二度としないと誓う
姉を抱いた
姉に抱かれた
....
自覚なくリンゴみたいな顔の色
跳ねるたび、イチダン浮き上がるカラダ
片足でタン、タン、とキミのシャツ掴んで
斜面から涙の玉を転がしていくコロコロと
光に反射して弾んだりして笑ってい ....
めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
おめかししてまいりましょう
からす瓜もほんのり色づいて
アザミの花が熱いため息ついたから
あなたに逢いたくなりました
おめかししてまいりましょう
赤いカエデに負けないように
くちび ....
車を運転中に見える空は。
なんてキレイなんだろうか。
あなたに教えるために、
写真を撮ろうとしても。
やっぱり、難しくて。
出来なくて、もどかしくて。
僕だけが独占 ....
君がくれたものなら 唇に隠しておいた
手紙にするには 言葉が 足りなかった
誰かが逃がした涙 誰のもか僕にはわからない
今日犯した罪も 明日には覚えていないだろう
書き換えのきくルールに ....
しずかに激しく
ひとたちが群れては
やさしいことばをかけて
やさしいことばにすくわれる
ああ、きみの手ぇ、あったかいねぇ
網の目たちがあくしゅを、している
みえないものをわたし ....
ただいま調整中
少しずつ溜め込んだボム
気を張ってないと
導火線の煙が
口から吹き出す
これから俺は爆発するんだ
新しいビックバンだよ
すべてをぶち壊すときが来たんだ
古い言葉を並べて
言い訳をしなが ....
クライヨル
あやまりたい
星空も曇る
抱きしめられる
ダカレテイル
きみの影
ほぼ最悪の未来のように
きみの頬
ただ最愛の肉片のように
ク ....
昨日のゴミ置き場で
幸せそうに日向ぼっこしていた
白い便器の蓋が
今日は無い
腰を痛めて十日間
介護の仕事を休んでいたら
先月の誕生会で
目尻の皺を下げていた
....
藍色のカーテンを
閉め切った部屋で
スタンドの灯りに
照らされた机に向かい
すれ違うこともないだろう
百年後の誰かに手紙を書いた
万年筆を机に置いて
深夜の散歩に出かけると ....
僕らが待ち合わせるのは
いつも駅前のCD屋で
僕が 君より早く着くと
たいして好きでもないんだけど
難しそうな JAZZを視聴して待つ
*
....
僕が詩を書く理由は
ナルシズムの披露でも
ストレスの発散でも
リハビリの一環でもない
同時に理解してもらうこと
届けることを意図していない
本当は深い意味な ....
黄昏を刻む夕の空
安堵する私の隣で
照れくさそうに笑う貴方を
可愛いと思った
はみだした、
木々
君の前で
秋は唄う
雨は止み
スコップの音が
(シャリ・・
かすかに
(シャリ・・・
君の頭が割れて
脳みそが
パカッと出てくるようで
興奮するよお ....
時に、西暦1988年
小生、小学校2年生
あのとき理科のテストで
「たいようはどちらの方向からのぼり、どちらの方向にしずみますか」
という問題に
....
本当は明るい詩を書きたい
ラブアンドピースって歌ってみたい
だけどなんだか虚しくなる
音楽は神じゃない
辛いって言ってはいけない
死にたいって口にしてはいけない
....
知らない間に溜まっている
財布の中のいらないレシート
レンタルショップ
スーパーマーケット
コンビニ等
合計17枚
中には半年前のもあって
インクの文字が薄くなっている
夏 ....
わたしは、あなたが思うよりも深く、沈んで、いる。
それは深海のようであり、深遠のようでもある。
あなたはあなたが嫌いで、いつも誰かを、装って、いる。
あな ....
071031
ゴム人間の負け惜しみ
ゴムの成る木をへし折った
臍のをのこをへし折った
伏し目の侍腹を切る
切った刀にご禁制の珊瑚玉
どこから来たのか ....
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