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「やる気がない!」と朝の会
突然に怒鳴り散らす担任の春を
冷めた目で眺める日直の朝。
理不尽なされ方に敏感な、理屈っぽい女子高生が
キメ台詞を復唱しながら、日直の用聞きで職員室に乗り込む。
 ....
そうゆうんじゃない
肌に頬を押しあてて
脈打つ血の
ほんとうの色が浮き出すのを待ちながら
したい理由をききたい
耳もとで
吐く息にまぎれ込ませて
「どうして…?」とききたい
衝動にもゆ ....
私は死におびえている
新宿アルコット 地下三階へ降りる階段で
伊勢丹ガールズのレストルームで
「緊急地震速報が流れたら伏せるなどの安全な体制をとってください」と
女の人の青白い声でアナウンスさ ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね

私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
先生
今年も忙しさに思想が流されてしまう
そんな季節が来ましたね
あなたは貴婦人だったり豪傑な男の人だったり
駆けだしの幼い人だったり するのだけれど
先生は 忘れた頃に
夢枕にきりりとた ....
白く
抱かれている女の子を見て
きれいだな と思う
やさしくふれられて やさしいことばを感じて
ため息を漏らすの
メロディーのように
たぶん アイラインを落としても
つむった瞼にまつげは ....
夏の雨が帰ってきた日
電車の行き交う河川敷で
嵐が運んできた枝で
薪には困らないなあ…って
ぼんやり過ぎ行く時間に蓋をして
現状のあまりのかなしさに
涙の雨も降らなかった日
写真にはやぎ ....
もうベビーじゃないこびとをのせて
ベビーカーを押している
愛しい生活にまみれた周辺を
いっぱいに抱えながら

秋は日に日に落ちてきて
車輪がとらえる枯れ葉の音が
肌の乾きを知らせてくれる ....
海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている

夏は タンパク質 ....
心臓が集まるとファンタジーになる

初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日

旅から戻ったベ ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わか ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
もう ラヴソングも描けないのさ
日の入りが終わった天空の
マゼンタがきれいでね
良い絵が描けた後の
水入れみたいでね
そんなことを伝える人も居ないのさ

眼球の奥でつくられる
とろんと ....
パンの焼けるにおいだけが明るい
苔が吐く息だけが甘い
朝になりかけのままの朝
小石をなげる雨のいたずらに
幾たびも眼を開ける

エメラルドの雨を泳いで渡る
赤い自転車は泣くだろうか
傘 ....
はじめまして うさぎ
大きなうさぎ
隠れ家のうたげまで
丸いしっぽを振ってさ
顔と変わらないでかさのヘッドフォンなんかが
かつて愛を共に真似た
Northって名まえのしろくまに似ている
 ....
きみが少し元気なときに
庭に植えた白梅に
真珠の粒がころころと
それは春の序章とも言える

きみが好きだった春の 前髪が見えて
それはきみの季節とも言えるが
メディアから塗りつけられる春 ....
自転車に飛び乗って聖蹟桜ヶ丘へと漕ぎ出す
夕刻は燃えはじめていて
ペンタブレットを壊してくれた天使に少し感謝して
関戸橋
私みたいに粋がった多摩川を見下ろした
嵐がえぐった流域は
新しく生 ....
背中でみず色をうたっている
こんなにも乾いているから
詩のたましいを“ふたあつ”もつ子の
みずのうた

誰もいない広場に
けやきやいちょうが積もっている
小さなひざをミルフィーユに沈める ....
地上へと繋がるエレベーターに
パステルカラーの女の子
うふふ
こんにちは
抱いている子ども
腕から飛び出しそうに笑って
照れて
くりんくりんって頭を回す
いししー
あっ 笑ったぁ
 ....
Wednesday
規則正しく星が灯る
首都高では夜が始まる
助手席 たばこをふかす父親
知らない光景をあげる
教えてもらった光景たちには
かないそうにないけれど
シュマリナイ湖のキャン ....
病気になると みんな
入院すると思ってる

ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
午前4時
ほの白く ほの青い 四角い窓から
まちの寝息が
明かりの粒子が 舞い込んでくる
街灯は 夏の虫を誘って
ゆれるように強く

黒い瞳に ひとつずつ
真珠を入れて
まばたきもせ ....
きみが生まれた病院へゆこう
インフルエンザの季節だから
まだ赤い きみのBCGみたいに
痛い注射を刺されにゆこう
歯の無いきみの笑い顔を抱っこして
きみを産んだ病院へゆこう

晴れて乾い ....
夏野雨さんのたちばなまことさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- たちばな ...自由詩8*09-4-11
産声- たちばな ...自由詩24*09-3-24
死におびえるヴィジョン- たちばな ...自由詩12*09-3-13
12月- たちばな ...自由詩21*08-12-9
先生- たちばな ...自由詩19*08-11-16
白い女の子- たちばな ...自由詩21*08-11-10
秋の夏の雨- たちばな ...自由詩12*08-9-26
夜のはじまり・多摩川土手ごしに望む- たちばな ...自由詩18*08-9-21
映画館を出て、海に泳ぐ。- たちばな ...自由詩15*08-9-14
おかえり- たちばな ...自由詩24*08-9-9
秋、一番- たちばな ...自由詩18*08-8-31
home_2- たちばな ...自由詩13*08-8-24
タイダイのおじさん- たちばな ...自由詩22*08-7-12
みかん(未完)- たちばな ...自由詩30*08-6-17
エメラルド- たちばな ...自由詩9*08-4-9
うさぎ- たちばな ...自由詩11*08-3-28
さくら_さよら_さら_さら- たちばな ...自由詩37*08-3-24
夕刻・聖蹟桜ヶ丘- たちばな ...自由詩8*07-12-14
みずのうた- たちばな ...自由詩8*07-12-7
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Wednesday(In_the_Milky_Way_of_ ...- たちばな ...自由詩17*07-11-22
入院- たちばな ...自由詩32*07-11-18
午前4時・真珠- たちばな ...自由詩19*07-6-27
内科_小児科_産婦人科- たちばな ...自由詩6*06-12-8

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