すべてのおすすめ
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです

光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
 ....
在る様に見えた向かいのプラットホームに
止まる列車ばかりを待っていた

落ちかけた陽に照らされ
辺りの羽虫も塵も金色に飛び交う中
次第に此処へと近づく車輪の音を聴いていた

けれどそれは ....
赤い川縁を歩いていた時
僕にとっての君と
君にとっての僕が
同じだなんて信じてた

夕暮れの合図が
街に鳴り響いた時も
どうにもならないことなんて
どこにも無いって信じてた

月が ....
母は言う
あなたは本当に優しい子だから

母は言う
それから大事なことだからよく聞きなさい

僕はそのあとを思い出せない


あれから
僕は随分と大きくなったけれど

特に優し ....
浅瀬のような空でした

私は止まれない魚になり
そして反芻する言葉の中で
現実だけが薄暗く沈んでいきます

ぴしゃりぴしゃりと時間の岸に
私の影が跳ねています

それよりもあなたは
 ....
私が見つめていたいのは
空だけであり

私が見つめられていたいのも
空だけである

その真実が
私から空を遠ざけている
にちようびが
しゃらしゃらとやってきた

とろとろしてたぼくは
もそもそして
ぽやぽやして
むしゃむしゃして
またとろとろした

それからすこし
かなしいゆめをみたぼくは
めそめ ....
たあいも ないことで
かんたんに

きずついたり
しぼんだり

やわらかな 
きみの たましいは

まいにち とっても
いそがしい

だけど どれだけ
いそがしくっても

 ....
ことばにならないこと
ことばにするから
やさしい

かたちをもたないもの
かたちにするから
たのしい

なんでもあるようで
なんにもないせかいと

なんにもないようで
なんでも ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう

降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう

始まれば ....
夜毎に降り注ぐ
ジェルのようにベトついた
粒状の哀しみは
いくら祓えども僕に纏わる

心を失くして遠くを彷徨ってみても
遠くで思う僕にまた出会う

干からびた約束には
何の重みも無い ....
光と影の悪戯な満ち引きに操られるように
僕の足は急いだり止まったり

そして派手に曲がった{ルビ歪=いびつ}な足跡が
僕のたましい

美しい汚れと汚れた美しさの
どちらにも触れながら首を ....
窓際で
君の寝息を背中に聴きながら

どう仕様も無く渇いた空を
見つめていた

形にならない雲と
伏せ目がちな太陽と

遠く飛ぶ鳥がすっかりと
吸い込まれてしまうまで

いつか ....
そこはまるで
ひとつの街であり
ひとつの物語でした

私はもう誰も居ない
公園のブランコに

キーコキーコ
と揺れていて

さようならの練習ばかりを
しています

あなたには ....
聴き慣れない
ラジオの
音楽に

飛び降りた
車道の
風に

吐き捨てられた
剥き出しの
台詞に

グラス越しの
炭酸水の
泡に

無表情な
電話口の
沈黙に

 ....
朝をはじめる太陽は
まるで線香花火のようで

小さく揺れるその玉は
何も迷わず空へ空へ

紫に寝惚けた水平線を
橙に燃やしながら昇っていく

やがて膨らみ色を変え
放つ光は僕を丸ご ....
いいとか
わるいとか

みんないろいろ
いうけどさ

きみとぼくは
ただの

はなれていられないだけの
かんけい

またいっしょに
はしゃいでうたおう





 ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている

土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線

川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える

背中を温める夕焼けが
実 ....
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている

最近雨が好きになったのだと
君は言う

明日も雨が降ればいいねと
僕は言う

壊れたテレビを何度でも
 ....
鍵盤の音を確かめるように
ひとつずつボタンを外していく

育ちすぎた夕暮れが息苦しそうに
僕らの仕草に耳を傾けている

一秒がいつでも一秒ではないように
僕らもまた危ういバランスの中で奏 ....
はるのおなかが
ぷっくりふくらんでいるのは

ぼくがそのなかで
ぐうぐうねむっているから

だけど
はるのおなかは
とってもひろい

だからみんなで
ねむりにくる

たくさん ....
無数の花びらたちが帯のように
川の両端を縁取りながら流れている

私は冷たい雨にかじかんだ手のひらで
傘を握り橋の上からそれを見ていた

けれど川にも街にも花びらにも色は無い
ふと見れば ....
木の枝が重ならずに生きていくことを
描き言葉と伝え言葉が生まれる
それぞれの心の在処を

まるでひとり言でも呟くように静かに
少し楽しげに君は教えてくれる

大きな木の根元に寝転んで
 ....
くるぶしの水位で哀しみが満ちているので

じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ

とっても歩きづらい


どうせなら肩くらいまで浸かっちゃえたら

のんびり平泳ぎでいくのにな
君は鳥が好きですか
僕はどちらでもないです

桜が咲くと嬉しいですか
僕は土手で寝転びます

今日は何か音楽を聴きましたか
僕は鈴木茂を二回かけました

夕ご飯は美味しかったですか
 ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる

たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる

何度も傘が破れて  ....
 

なぜだろう
わたしは眠っている

世界はこんなに美しいのに

なぜだろう
わたしは怒っている

こころはとても暖かいのに

なぜだろう
わたしは歌っている

ひとり ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ

私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける

しかし気が付けばいつ ....
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから

坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように

どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても

この哀しみは君 ....
藤丘 香子さんの松本 涼さんおすすめリスト(33)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
プリズムホワイト- 松本 涼自由詩807-12-28
落陽- 松本 涼自由詩707-12-17
ひとつの月- 松本 涼自由詩507-11-5
ときどき- 松本 涼自由詩407-10-30
問いかけ- 松本 涼自由詩807-9-4
真実- 松本 涼自由詩607-8-3
しゃらしゃら- 松本 涼自由詩707-6-25
やわらかなひと- 松本 涼自由詩907-6-18
ピース- 松本 涼自由詩1107-6-12
ネガ- 松本 涼自由詩1807-6-1
思う- 松本 涼自由詩307-5-30
首をかしげて- 松本 涼自由詩1007-5-14
渇く空- 松本 涼自由詩1007-5-12
ブランコ- 松本 涼自由詩707-5-12
今日- 松本 涼自由詩607-5-5
光の日- 松本 涼自由詩1107-5-1
かんけい- 松本 涼自由詩807-4-27
デッサン- 松本 涼自由詩1307-4-18
さみしい子供- 松本 涼自由詩1607-4-9
夕暮れピアノ- 松本 涼自由詩1007-4-9
はるのおなか- 松本 涼自由詩1307-4-5
色彩- 松本 涼自由詩1107-4-5
さくらの日- 松本 涼自由詩1207-4-3
水位- 松本 涼自由詩1007-3-26
ところで- 松本 涼自由詩2107-3-15
ひたむき- 松本 涼自由詩13*06-11-19
リピート- 松本 涼自由詩606-8-20
私はとても小さいので- 松本 涼自由詩114+*06-1-2
頷き- 松本 涼自由詩10*05-6-20
てがみ- 松本 涼自由詩8*05-5-23

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する