明日は皆既月食
もしも
ほんとに地球が
月を食べちゃったら
悲しいね
月のうさぎも
いなくなっちゃう
夜空に光も
なくなっちゃう
願い事も
できなくなっちゃう
....
そんな事も知らない間に
大人になったので
泣き屋に
ひとつのパンで
泣いてもらった
それでも
わからない顔をしている僕に
泣き屋は
パンを返してくれた
彼女は家に帰 ....
浴衣着た
乙女の数で
気がついた
今日は
びわ湖の花火大会
続々と
打ち上がる音
聞くだけで
私カタカタ
仕事終わらず
あの日見た
打 ....
あるいは、青春とは生贄のようなもの
だったのかもしれない
私たちが、終わりの終わりまで
上手に歩いていくために捧げた
血なまぐさい生贄
それが美しいものだったなんて嘘を
眉一つ動かさずにつ ....
塩水を沸騰させていくと
綺麗な塩の結晶があらわれるように
なだらかな腰のラインをしたたる
あたしのためのその汗を
沸騰させて沸騰させて
もっと沸騰させて
そうや ....
明けない夜はないけれど
夜しか知らない人がいたら
永遠の夜は存在する
夜に生まれて
明ける前に死ぬか
夜しか目覚めないで
朝を見ずに死ぬか
したらば
夜は永遠となる
永遠が遠 ....
「いつも側にいるよ」と 君は言ってくれるけれど
不安は 消えることなくつきまとうんだ
突然 君が 交通事故に巻き込まれたり
細い躰が 大きな風に吹き飛ばされちゃうんじゃないかって
心配 ....
寂しいと泣いた夜
あなたはゆっくり 笑った
大丈夫
空に帰ったんだ
また 会える
海じゃなくて空
聞き返したら
頷いたね
海は生まれて来るところだもの
....
カラン コロンとドアを開け
馨 珈琲豆
カウンターをすりぬけ
マスターがシャカシャカと
カクテルをまぜる音が
懐かしい〜
レモンを一滴二滴を
しぼるが、口の中の
唾液をさそ ....
涙が川をつたって、海へと。
塩辛いならいつも誰かが泣いている。
想像しよう。世界の事を考えよう。無力な僕ら
誰だって あって当たり前なんて耐えられない
誰だって なくてはならない存在でありたいから
互いを伝えあうんだよ それを 選んだんだよ
与える 与えられる その繰り返しなんだね
理想は気配を ....
生きてても
亡くなってても
会いたいひとが
たくさんいる。
もう二度と
会えないひとばかりで。
会いたい気持ちを
持て余す。
持て余す。
物足りない
もどかしさを
誰かに拭って欲しかった
甘えた声の行く先は
ただの虚しさだなんて
愛してるを言えば
頭を撫でてくれたから
私はにゃぁと鳴く
猫にすら憧れた
....
やまのおくからウグイスのこえ
うまくなけないウグイスに
がんばれ がんばれ と 縁側から おばあちゃんのこえ
ほーほけきょ
うまくなけた ウグイスに
おじょ ....
炭酸水のぷちぷち 弾け飛んだ泡つぶが
空へ昇って星になったら
一等星の青がソーダ水になって
ぷちぷち ぷちぷち 泡の星を撒き散らす
夜空が星で埋めつくされたら
僕のコップは薄い青のソーダ ....
知らない誰かが 僕に問い詰める
「平和な世界って どんな世界なんだろう」
一言 こう答えたよ 「誰も見たことのない世界」だと
楽な生き方だって 覚えたよ でも 強くはなれないよ
ここで語っ ....
路上に咲く花の
強さと優しさが身に沁みる
そっと風に身を委ねながらも
へこたれることはない
自分の首を高く掲げ
優しく自己主張している
無闇に棘を生やすこともなく
全てを受 ....
心に響くモノに
出会った時、
あなたを呼んでしまうのは、
ふたりでわかちあいたいからだと
思うんです
妻ときて歩きて語りなつかしき日溜りにくすむ 鞆の浦 よ
青春は消えにけり受験という灰色の時河原町とその付近
水まけば涼しき風の入りきて立秋よりも二日目の午後
反った背中に
命の雫が伝う
痛いのか
悲しいのか
顔を歪めて
全身全霊の
叫びを
それを見ている
私は
嬉しさと
切なさとが
混じった ....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う
たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。
あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
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