両親が好きな子がいた
どんな両親が好きなの
そう尋ねると
それはそれはたくさんの条件が出てきた
まだ続きそうだったので
それを遮って
ところでその条件にあてはまる両親はいたのと聞くと
ま ....
道端に落っこちて
もがいていた君
自然のことに
手を出してはいけない
それは知っていたけど
小さなアリが
君のまわりに集まりかけていて
思わず
手を出してしまった
君は精いっ ....
マウンドに立っている
誰も守らないグランドの真ん中
ほんの少し前まで
外野で黙ってろと
生えた草むしりとか
雲数えたりしていたのに
気付けばマウンドに立っていた
大きすぎるグロー ....
汗をかきながら
夏の太陽を浴びながら
のぼってく さかみち
のぼりきったとき
君の笑顔と。。。。。
いつしか
心の安定剤
そこに
君を位置づけていた
君も僕と同じ
いつも笑っているわけでは
ないのに
いつも優しいわけでは
ないのに
都合のいいように
目隠しをして ....
夏は涙を流してくれない
秋
瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす
冬
食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる
自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる
....
背中をあわせて
宇宙を見つめる
ひとりで360度を
見つめるのは無理だから
君とふたりで見つめよう
上も下も見つめ過ぎたら
あべこべに
なることもあるだろう
宇宙には
暗 ....
ひなはとうとう
自分が足をあげると
道路にはりついてる黒いかたちも
足をあげることに気づきました
ひなの世界にはまだ
「カゲ」という概念がないので
それは楽しい発見らしく
何度も足をあげて試してま ....
シャーペンの最後にいつも残る
出てこなくなった7ミリメートルは
言えそうで言えなかった言葉
書けなかった最後の言葉
捨てられずに残していたら
いつ ....
使い捨ての帽子に
ミルクティが付着して
私は
何故か、はっとする
余りは沢山あるからと
笑いながら言う
これが人間だとしても
あなたは
笑うのだろうか
白いメッシュ ....
スーパーで仲良く買い物をするカップルを見かけた
はじめて彼氏の住まいへと招待されたようで
得意料理や揃っていない調味料の話が
すでに食前酒よりも効果を発揮している
他の ....
天気がいいから
あのひととふたり
散歩に出かけた
珈琲を飲もうよ、と
あのひとがいう
わたしも頷いて
ふたり喫茶店に入った
向かいあって
お茶するだけでもしあわせ
一 ....
夜の暗闇の中
街の灯は瞬いて
あのひとは
何をしているだろう
その疲れた身体を横たえて
それとも
誰かと笑いあって
好きです、
とも
慕っています、
とも
言えなかったひ ....