現実が喉につっかえた夜
時計の秒針は
時を刻まずに
僕のしょっぱい言訳と立場を
チクチクと陰縫いしている
身動きがとれなくなった僕は
掛け布団と
敷き布団の間で
暗闇と同じ色に ....
すき。ということばを頑なに使わなかった時がありました。
七月の夕暮れ。ひとしきり降った雨の上を歩いていました。
貴方を捨てるとか、愛を叫ぶことができないとか、そういった話ではないのでし ....
悲しみのない日に生まれたかった
ばらとミルクの甘い匂いだけがする午後に
僕は君とだけ生まれたかった
いまとなっては好きも嫌いも愛してるも
言わなくなって 指先だけで触れて
僕 ....
夕方の上り通勤快速は
降り出した雨を切り裂いて走る
車内は意外に混んでいて
ロングシートは満席で
吊革に片手をぶら下げて
流れる車窓を流れる雨滴を
ぼんやりと眺めていた
雨の駅に ....
僕はいつも笑っていよう
君がそれを知ることはなくても
僕はいつも傷を受けよう
君がそれに気付かなくても
君が少しでも楽になれるなら
僕は君の為に生きる
いつか気付か ....
嬉しくて
気持ち良くて
満たされて
少し恥ずかしくて
楽しくて
自然にこぼれた笑顔
ひとつひとつを束ねて
ナイフで切り離した断面
それがあの日の写真
時間は変 ....
目から涙が
流れるのを見ている
左耳を枕に押し付けて
横たわって
右目の目頭から
左目の目尻から
梅雨の日のガラス窓
流れて渇いて
それを部屋の中から眺めているような
す ....
いつも
憎まれ口叩いて
それが結構
楽しかったり する
好きな人なんていないし
恋 なんて
おぼえてない
でも さ
こんな風に
君と
笑って ....
「遠い親戚です」と呟きながら
脂ののった秋刀魚を食べる
身を骨から器用に削いで
大根おろしをちょんと乗せて
神経質に醤油を垂らして
「遠い親戚です」と呟きながら
秋刀魚の塩焼きを食べている ....
いま
あの日、に立っている
右手をのばし
空の高さを測るきみ
手招く左手は
薄の穂の間に
見え隠れして
黄昏の
目で追う背中には
金色の翼があった
喧嘩しても
すぐに忘れ ....
長所と短所
うらおもて
さびしくなろうよ
九月の雨は
人に優しく
おまかせしようよ
藍のいろ
煙っている
アスファルト
ただの夜のいろ
....
必然は
哀しいことのほうが
多いようです
偶然は
寂しいことのほうが
多いようです
藍の色
夜のはじまり
中秋の
月が鏡のよう
必然 ....
大切な言葉の群れを守れたのか
言葉の洪水は
何の温暖化のせいなのか
NT○は A級戦犯
電話ボックスで喰う昼飯は
うまいか
大切な言葉の群れを守れたのか
ローションをたたきこ ....