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雨が止んだ
そして他の誰よりも
最初に光を見たのは
ぼくだった

光は止まっていた
その光をくぐるようにして
白い蝶が飛んでいる
風も止まっている

雨が止んだ
閉じていたものが ....
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した

ある日
目を失った少 ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた

バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける

気づけば
髪の毛が濡れてい ....
「君は必要です」
上司から言われたその言葉に
自分が認められた気分になり
その後は毎日のように
仕事をこなしている
カップラーメンを食べながら
いくつもの書類に目を通し
会社メールと携帯 ....
家族で豪華な料理を
食べに行った
お父さんとお母さんは
とても満足そうだったけど
ぼくは
おしゃべりしながら
家族みんなで分担して作った
カレーライスの方が
美味しいと思った

家 ....
子どもたちの広げたパラソルが
クルクルと回って
それは梅雨に咲く
パラソルフラワー

アジサイのように
一度にたくさん咲いてるのもあれば
一列に並んでいるのもあり
色鮮やかに咲いている ....
あの夏はもう過ぎてしまった
まだ子どもの頃
特に待ち合わせをしなくても
いつもの公園に集まって
そこから林に探検へ
入ってはいけないような場所に
金網をよじ登る
そうすることが夏だった
 ....
ぼくたちの先生はいつも
ぼくたちにはできないことばかり
言っていて
ぼくたちができないと
何をしてんだと
いつも怒ってた

隣のクラスは
優しくて人気のある先生
楽しそうに過ごしてる ....
ガリガリ ガリガリ ガリガリ
休日だというのに
朝から電動バリカンの音が
騒いでいる
庭の木の手入れがすでに
始まっていた

ようやく訪れた休日なので
今日は一日ゆっくりしていたい
 ....
いつもみんなよりも前に走っていた
けれどもそれは
人生のたった最初の十八年だけに
すぎなかった
次の四年間は
自惚れていた自分がいた
適当に時間を過ごせば
それで許されていた
ペースダ ....
夜空を見上げてみた
数えきれない星が
ぼくの上にあることに
気がついた

今ぼくは
宇宙の中にいる
今ぼくは
宇宙に触っている

夜空の中で
星は光るだけではなく
流れていくこ ....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに

白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに

畑の作物採りに行 ....
少年は靴を履いていなかった
ぼんやりとした瞳で
橋の上から
流れゆく川を見ているだけだった

少年に親はいなかった
預けられる場所はあるものの
そこは少年のいる場所ではなかった
少年は ....
学校に入学して
まず最初に教わったことは
決められた道を歩くことだった
とてもわかりやすくて
楽しい思い出が今でも残る

学校を卒業して
まず最初にわかったことは
決めていく道をつくる ....
そこに夢があるので
ずっと長い上り坂を
がんばって進んでみる
振り返ると
努力という風景が
見えていた

そこに希望があるので
ずっと遠い道のりを
ひたすらと歩いてみる
振り返ると ....
幻想をリアルにするために
リアル以上にリアルを表現すると
それは異常なのかもしれない

恐怖は見れないところにあり
見えるのは醜さだけなのかもしれない
教科書にその公式が載ったとき
その公式は
知恵から知識へと
生活から遠のいてゆく

一時間でどのくらい進むのかが
わからなくても
あと一時間で到着することを
いつも教えてくれるからだ
 ....
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ

よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
夏の氷は透き通っていた
四角いその宝石を
水の中へと入れると
しゅわぁという音が聞こえた
それをじっと見つめる
自分の中に固まっていた何かと
同じようだった

さようなら
この氷の最 ....
今日はネコの日だ
ネコを大切にしなくてはならない一日
自分の家で飼っているネコだけでなく
ノラも含めて大切にしなくてはならない
でも今日は朝からずっと雨

コンビニから帰る途中で
ゴミ箱 ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
やりたいときに
やりたい分だけ
自分の都合だけの
マイペース

マイペースは
自分で進んでゆく速度のことだ
けれどもその前に
自分で進んでゆく道がなければ
ペースはつくれない
そこ ....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった

あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
一つの授業が終わるたびに
階段を下りて
一階にある自動販売機で
レモネードを飲んでいた
今日も暑い
昇降口の近くでは
これから体育の授業だろうか
下級生たちが体操服で
わいわいと騒いで ....
将来の夢を語り合うよりも
明日のテストに向けて
たくさんの単語を関連もなく
覚えることの方が大切だった
そのときのぼくの夢は痛かった

将来の夢を描くことよりも
今の生活を脱する方法を
 ....
みんなが川で遊んでいた
川の回りに落ちている
材木とか箱とかを拾ってきては
川に流して競争していた

次の日も
みんなは昨日と同じように
草むらの中で下を向いて歩いては
水に浮かぶもの ....
輪ゴムのように生きろ
小さい頃から父に
ずっと言われ続けてきた
その父も祖父から
ずっと言われ続けてきたらしい

輪ゴムのような生き方って
どんな生き方なんだろう
伸びたり縮んだり
 ....
探し物をしていたら
押入れの奥から出てきた
学生時代のルーズリーフ
こんなものがこんなところに
物理のノートだろうか
数式やらグラフやら
長々とした漢字による専門用語やら
今では何が書か ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
円谷一さんのぽえむ君さんおすすめリスト(70)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の後に- ぽえむ君自由詩14*07-7-15
ある日の拾い物- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
雨の日のバス停- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
君は必要です- ぽえむ君自由詩7*07-7-12
豪華な不満- ぽえむ君自由詩13*07-7-12
パラソルフラワー- ぽえむ君自由詩6*07-7-11
あの夏はもう過ぎてしまった- ぽえむ君自由詩15*07-7-11
ぼくたちの先生は- ぽえむ君自由詩8*07-7-10
電動バリカン- ぽえむ君自由詩7*07-7-10
人生マラソン- ぽえむ君自由詩8*07-7-9
宇宙に触っている- ぽえむ君自由詩11*07-7-9
遠い昔の夏の夜- ぽえむ君自由詩15*07-7-8
夏の光が浮いている- ぽえむ君自由詩13*07-7-8
靴を履けない少年- ぽえむ君自由詩15*07-7-6
本当の自分をつくろう- ぽえむ君自由詩10*07-7-5
そこに夢があるので- ぽえむ君自由詩9*07-7-5
リアル- ぽえむ君自由詩7*07-7-4
使えない公式- ぽえむ君自由詩8*07-7-4
雨の涙- ぽえむ君自由詩22*07-7-3
夏の氷- ぽえむ君自由詩12*07-7-2
ネコの日- ぽえむ君自由詩5*07-7-2
とうもろこし畑- ぽえむ君自由詩22*07-7-1
マイペース- ぽえむ君自由詩8*07-6-30
もう君はいない- ぽえむ君自由詩25*07-6-29
暑い夏- ぽえむ君自由詩7*07-6-28
痛い夢- ぽえむ君自由詩9*07-6-27
夏の川- ぽえむ君自由詩11*07-6-26
輪ゴムのような生き方- ぽえむ君自由詩10*07-6-25
思い出ルーズリーフ- ぽえむ君自由詩11*07-6-25
無能な自分- ぽえむ君自由詩16*07-6-24

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