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君とは
そんなふうに終わりたい

マグネシウムの燃えるように


一瞬の
火花のように

記憶を全部消し去るように


そうして
何ごともなく

日々に戻っていくように
 ....
それが、
どんな言葉だったのか。
風呂にでも入りながら考えるとしよう。
空っぽの口に装弾した犯人のことも。
まもなく、
冬がやってくるというのに
さながら、
新品の漆黒のコートに
無数 ....
無愛想に噛んでいるガムは
世の中つまんないの印
薄汚れたジージャン
色抜けた黒ジーンズ

髪の赤いのは生まれつきでも
やっぱり笑えるほど愉快でもない
泣き出しそうな坊やにだけ
ひらひら ....
私の家族は四人だと
一瞬思ってしまった
もう父はいないのに…
母、弟、三匹の猫、そして私
それが今の家族構成

母は料理がうまくて
とても頭のいい人で
要領もよく
五〇 ....
どうでもいいけど その靴左右反対だよ
どうでもいいけど そのTシャツ裏側だよ
どうでもいいけど 哀しいことが多い気がするよ
どうでもいいけど 何も出来ないことが
くやしくってたまらないよ
ど ....
まず 最寄の駅に向かって下さい
そして みどりの窓口で「鳥の国に行きたいんですが」と言えば
ほぼ確実に「え?何ですか?鳥取?」等と聞き返されますので
「”鳥の国”へ行くには、何線に乗れば良い ....
エホバの女史が冊子を投げ入れ笑顔を覗かせたのです

「私は神を信じていませんが、いるかもしれないしいないかもしれないです」

それを聞くと彼女は深い口をちらつかせまし

たた
たたた
 ....
コンクリートに埋め立てられたての土手は足跡がつくから
わたしはそこに猫ちゃんを置いておいたよ
そこでにゃおにゃおいってたすけをよぶんだ
きっとうまくいく
にんげんは猫ちゃんがだいす ....
あまりの暑さに
体が溶けだした
それは両足から始まった
僕はそこから動けなくなった
そのうちに体全体が溶けていった

僕は完全に溶けてしまった
でもいいさ
今日はこんなに暑いのだから
 ....
あら、こんばんは。
でもあなた、私の頭の中の人ね。
いいの、退屈していたの。誰もお話する人がいなくて。
あなた、ビーフシチューは好きかしら?

か、ごめかごめ。

作っているの ....
街頭にて老けた青年は紙袋を両手にぶら下げていた
今日買うはずだったモノをどうしても思い出せない
記憶力の低下を彼は極端に恐れていた
忘れたモノの数も忘れていた
誰のための買い物かも
記憶力の ....
夏の朝
白いテラスで
ラジオが唸ってる

はるか頭上の風は
あまり動いてない
雲も眠ってる
テーブルクロスも

キッチンから
また君がドーナツを揚げる音と匂い
揚げたては好きだけ ....
遠い山の向こうへと繋がる
七色の虹を
その人は背負っていた
重くないですか
と尋ねると
その人はすこし微笑んでから
紺色を私に手渡し
故郷の虹は六色でした
と寂しそうに呟いた

空 ....
  両手に抱えられるだけ
  かなしみを抱えて
  捨てに行く
  穴を掘って
  花壇の真ん中辺りに
  ここなら寂しくないでしょうと
  ささやきかけて
  そうしたら
  ....
僕のお父さんは、僕のお母さんです。
僕とお父さんとお母さん、2人でボイストレーニングをしている今日この頃です。
三月は五月で、五月は六月ですから、八月に歌のコンクールがあります。
歌声に自信がな ....
 路面が凍りそうなほど寒い朝
 彼は社長を迎えに行った
 自宅に着くと
 リビングのソファで社長が
 頭から血を流して倒れていた
 頭の中身は
 アンティークの柱時計に ....
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