父のときもそうだった
まるでネコのように
死ぬ前に片付けをはじめる
「死んでしむようで嫌だ」
といったけれど
伯母と母は部屋を片付けた
寒い冬の真夜中
誰も知らずに
息をひきとって
....
絶滅にひんする
動物として生まれてくるとは
いったいどういう因果なのだろう
またそれを
思考する資格が僕にあるのか
深夜、酒場で
ナイトサファリ
湿気と音 ....
泣きすぎて喉を痛めた赤鬼に
少女はドロップ二つを差し出した
過去の狂犬は時を経て主人の首輪を受け入れる
恐ろしい夢を見る熊は知らずに子供を抱きしめた
目 ....
蒼深い川沿いに出来た村は振り向かない
軒先に草の影が乾いて揺れて
ひと足ごとに家一件
山奥へ向かう静かなあゆみ
白藤が一本の赤松を枯らしながら
さわやかな薫りがひろがって始まる
山 ....
「悲しみ」は噛まない、。」
この子が
尾を振る仕草の延長で鼻を鳴らしながら
十畳を嗅ぎ回っても期待は裏切られ
グラスの中で氷が踊る、。刹那
街は窓を彩って
鮮やか ....
わたしよりウチとか言ってる息づかい君に会えたと確認してます
あほやなぁそれで駅へと行きますか次に会う日が未定というのに
急かされて、はよう決めやと言われてるそんな時間が大阪と思う
....
掃き清められた玄関先に打ち水しませんか?
天井にファンをつけても
南国特有の怠惰な湿った雰囲気は味わえない
そう、
空調で管理された夏が
置き去りにしてしまった夏もある
蝉時雨 ....
好きだよ
殺して
もうずっと好きだから
最後はあなたに
聞こえるね
祈りが
ずっと歌っていたでしょう
もうどっちかわからないね
ねえ
神の鐘響いている
私もう止まった
いつもさ
....
ゆらゆら流れて
目と目で合図
雲を掴んでお辞儀する
ゆらゆら流れて
錆びて壊れて
なにやってんだろな
ゆらゆら流れて
逆さ吊り
あの娘は今日も眠ってる
きっと素敵な夢見てる
{引用=山小屋にオオカミの女の子が独りきりで住んでいました
友達はいません 山奥なので誰も訪ねてきません
だからいつも一人で遊びます
空 ....
バルサミコソースが複雑に酸っぱくて
関係ないのにあの汗の味に似ていたからって
ああもうぜんぶだめなんだとフォークを置いた
まったく大げさな話だ
こうやって一日中町をふらついたあと
溶けた飴で ....