小さな町のはずれで
旅人は力つきて倒れ
そのまま動けなくなった
かれこれずっと
なにも食べておらず
水も一滴も飲んでいなかった
町の空気は乾いていて埃っぽく
川も干からびていたし
 ....
しんをちょうせつして
つつをもちあげて
すこしだけすきまをあけて
まっちでひをつけて
しめるとどうじに
まっちをふってひをけす
ごっごっ と
おとをたてて
かなあみまでひがのびて
あ ....
勝手に死んでしまった猫が
地面の下で 魚が食べたいという
いくら魚が食べたいと思っても
ここにあるのは石っころかミミズかモグラか
去年あんたが埋めた三輪車くらいなのだからと
しつようにしつよ ....
詩誌「雲雀料理」号外に掲載された細川航「ビバーク」について
{引用=
僕のふたつのねがい、それはきみがいまこの瞬間か
らだの奥底から死にたくなること、そしてそのまま
に永遠くらい生きてほしいこ ....
庭でだいこんが生えそろっている
白くみずみずしいだいこんが土に刺さっている
知っているか だいこんの葉っぱには青虫が
ものすごくよくつく ほんとうにきりがないほど
だから割り箸でそいつの青首を ....
夢をみなくとも   軽谷佑子さん
http://hibariryouri.web.fc2.com/11/karuya.htm

4行が5つ小さく並んで、どこにも本当の意味での終止形がない(文法で ....
彼女が日記を閉じるということを知ったとき、わたしはロンドンにいた。初めて彼女の日記を読んだときに、いったいぜんたいどこにいる人なのかわからない日記で、それは遠い国にいらっしゃることだけはわかったので、 .... mixiより転載。
2008年6月28日に開催した朗読会のお礼の文章です。

*****

お客様には、いやってほど我々の愛が伝わったのではないでしょうか(笑)
もし、お腹いっぱいになっ ....
アスパラガスさん讃 2


彼女は軽やかだし、あまり恐ろしそうではないではないか。という不如意。

この、デザインできない不如意で多義的なラインを、彼女は、推敲と時間によって作り上げることが ....
新しいノートを開いて。さいしょのページだけ。きれいな字を書くようなひと。僕もいっしょだ。

サイドミラーに映った、中華門のおおきな金文字。鳥居っぽいね、話しかけると。となりでは眠るひとがいた。遅い ....
終わりから、こちらを見ているのは
ああ、名前がないね
そう、もう取り外してしまったの
じゃあ、また

花火みたいに千々に光って消えていく
あれはおとうさん
あれはおかあさん
あれはおと ....
未明。雨が降っている。殴り付けるような強い雨だ。風は森の木々
を蹂躙しながら北へと向かう。雨だれを引き連れて。しだいに厚い
黒雲がうっすらと明るくなっていく。森のあちこちには輪郭のぼや ....
きれぎれのふくをひろってあるく
しっているだけ めんをたどって

とり
いってしまったよ

くびをまげて
さけぶのじゃあなくて
いきをはくみたいに
まげて

さいしょのとりの ....
小さなスミ子さんは
短く刈り込んだ髪で
不安気に
わたしの隣に立っていた。

「今日から働いてもらうスミ子さん。いろいろ教えてあげてね」

ナースから少し離れて
私たちは長い廊下を歩い ....
{引用=
ぼくはスケートリンクにとじ込められた
きみの日なた
日なただよ



          アスパラガス「スケートリンク」より







詩人の書く言葉は
 ....


窓をあけて光をあびながら
手をのばして
選んで
引き剥がして
食卓の方向にほうりなげる

皿もいらない、私の食事
清流のなかの食欲が室内にみち
なまぐさい匂いに木目が視線 ....
久しぶりに短い文章を書きたくなったので書いてみる。短い文章を書いてみると何だかいつも久しぶりだ。嘘だけど。
先日、乗換駅のホームでセミを拾った。まだ生きていた。木のない駅で、人に踏まれるよりは草地に ....
茅ヶ崎駅近くのライブハウスにて 
カウンターに並んで座った 
詩友の欣(きん)ちゃんは、店員の女の子に話しかけた 

「名前、なんてゆうの?」 
「かれんです、名前負けしてるんですぅ」 
 ....
インド人形ってなに?
それを今から検証していこうと思います
一緒についてきてくださいね、はい
黒板を見てください



その時校庭では三組の女子、エリコさんが
両足をがっしりと開き腰を ....
送り盆ではこうするのだと
山のような握り飯を作っている父は
背中だけ見れば
往時のままだった

送り火の陰に
茄子の牛
誰かの出て行った気配とともに
盆はつつがなく終わる

ごま塩 ....
振れた雨の振動数に寄りかかって
あなたの鼓動は直進する
言葉の数々と濡れながら空を飛ぶ
カーキのマンションの3階に猫を見る
猫も猫であなたを見ている
卑しさに消え入るザクロの双眸で雨の玉を引 ....
一睡もせず朝四時半、始発で鎌倉へ。まだ暗いうちに円覚寺の門をくぐる。暗い中に人が少し。お堂へ歩いていく。わけもわからずわたしはついていく。靴を脱ぐ。お堂へはいる。広くて寒い。座布団一つと小さな二つの座 ....  ワンルームのドアをノックする音が聞こえた。
 濡れた髪をタオルで拭いていた昌は、動作を止めて、反射的に壁の時計を見た。夜の十一時だった。
 ドアスコープの向こう側に、白いフェイクファーを纏った見 ....
おはなし?
おはなしをしろってか?
テレビはいいのか、テレビは。
んー、おはなしか
そうか。
おはなししろなんてこども、さいきんみたことねえからな。
いやむかし、おはなしってのを
きいた ....
「疲れる薬だと言うと変に思うかもしれませんが、これは正真正銘の医薬品です」
 あのとき、高木はそう言った。
「疲労薬」と印刷された赤唐紙が、半透明の茶色い瓶に貼り付けられている。私は彼の説明を聞き ....
ばりばり書いたばりばり


「ざんねんながらその話
 すでに書かれたものなのです」


  ばりばり書いたばりばり


「失礼を承知で申します
 あまり面白くありません……」
 ....
駅から
山の手に上る道
建物に入れば建物から出る

犬には
餌をやらない
先週
友人の通夜のあと
これ幸いと
「フクシマ」
であれでしょう?部長
とかいって
一週間会社から
はやめの
「節電」夏休みをとって
で南米を
ヒッチハイクでう ....
{引用=
(マンホールの蓋、ペットボトルの蓋
(潰れ果てた牛乳パック


あろーん
あろーん


と目覚ましがなる
(おにいさん、おにいさん、どうせ起きたってあろーん
夜の陰謀 ....
 ニューヨーク近代美術館の地下ギャラリーに、「ウォーホルの雪だるま」はあった。
 その雪だるまが彼の手によって作成されたのは、1965年のことだ。
 
 僕がそれを見たのは大学を卒業した年の春の ....
mizu Kさんのおすすめリスト(286)
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夜中の猫- 春日線香自由詩415-2-15
二人の遡行者—細川航「ビバーク」- 春日線香散文(批評 ...214-5-8
不動の穴- 春日線香自由詩314-5-4
絶語の果て- 渡邉建志散文(批評 ...314-2-1
ない日記の感想- 渡邉建志散文(批評 ...2*13-12-1
(転載)第一回朗読会;「アスパラガス、詩集。」- キキ散文(批評 ...413-11-7
不如意な恐ろしさ(アスパラガスさん讃2)- 渡邉建志散文(批評 ...413-10-7
軽口- コーリャ自由詩513-9-18
リプライ- オオカミ自由詩213-7-22
pteron- 紅月自由詩313-4-27
イモセ- ミゼット自由詩5*13-1-18
スミ子さん- 初代ドリ ...自由詩14*13-1-8
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帰省#3(即興)- 月見里司自由詩212-6-14
ホップホップピッチ- しべ自由詩212-6-12
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手紙を結ぶ- 春日線香自由詩111-7-30
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