ふと日常の糸がプツンと切れた
何もしたくない
頭の中と心の中では
この言葉しかなかった
そろそろ出勤しなくてはならない時間だが
立ち上がるのも面倒だ
決めた
今日一日は怠惰な生活を送 ....
昔
スコッチが傍らにあって
よく俺の話を聴いてくれたものだった
時には氷で返事して
盛り上がっちまうと
すべてを吐き出せる
そんな関係だった
ロックの多かった俺は
ことさらにお前を必要 ....
喉が渇いて
二階からおりてきたら
リビングには夫がいて
やっぱりテレビをみていた。
最近、休日はずっと
テレビばかり。
ときどきビールとかコーヒーとか
のみながら。
夫の部屋はないから ....
なにもないは白か
なにもないは黒か
なにもないは透明か
白いなにもないには白があった
黒いなにもないには黒があった
透明ななにもないには透明があった
な ....
蜘蛛の巣──繊細に張りめぐらせたレースの装飾
怖いもの知らずの蝶が飛び込んで
ゆれる ゆれる
蝶の羽も絡まる糸も光っている
ゆるやかな午後の陽に なお光を保ち
非常階段の隅っこに小さな灰皿
割とヘビィな銘柄の吸い殻
押し付けられて そのまま
残された抜け殻か それは
空気を震わせながらする呼吸は
僕の部屋ではやけに神聖な行為で
深く閉じた ....
透明な
透明な場所に
色を付けていく。
そんな小さな革命。
五月の日差しが強くて
今日も真っ白なレースの日傘を差すの
傘の細い柄を ちょっと傾ければ
私は日傘の中に消える
すぐ横を通っても あなたは気づかない
別に あなたを気にしてるわけ ....
その本には
わずかな言葉しか
書かれていない
けれども
見えない言葉が見えてくる
それは
未来への希望であり
人生への疲れでもあり
恋する人への思いでもある
同時にそれは
読む人が ....