カーテンはオレンジ 空はコバルト 嘘はムラサキ
愛は何色? 恋は何色? 君は何色?
木漏れ日の中を 電車が走っていく
季節のトンネルを抜けて 現実が覚めていく
脳裏 ....
珈琲牛乳の色をした空には
夜と朝とが 文字通りに交じり合う
季節はそこに存在する唯一つの風景だ
一年、二年、三年、と
過ぎ去った時間の数を数えているのだが
両手だけでは足りない ....
熟して溶けた果実のような
あなたの心の滴りは
何をも変える才知の媚薬
甘い一滴 舌先で
受けたとたんに
遠い彼方の記憶の底へ
解き放された魂は
螺旋を描き
....
目を閉じると
ざわざわとした瞼の光がある
生き死にとは関わりのない所で
夜に終わっている
大変な引力で
言葉が土に還っていく
無音とはそういったもので
雪でも降ったりするんだろうか
....
自分が変わってるのか
世界がおかしいのか
まぁどっちにしろ
誰にも理解されないことの方が多い
それも少し慣れた
諦めが肝心だと誰かが言ってたから
やっぱりそうなのだろうと思う
寂 ....
チャーリーブラウンは後退なんかしない
あの頃に踏みとどまっているだけ
英語の勉強になるならと
無理して読んでみたけれど
やっぱし後退なんてしてくれなかった
それがリアルってやつ
細い線で描 ....
柿は柿であると同時に柿ではないものになることはできない
しかし柿は柿でありかつ秋である
君がそう言うってことは きっとそうなんだろうね
時間性も論理性も矛盾律も解らずじまい
イデアが何処か ....
一瞬の 痛み
体内のものが
袋へと
流れてゆく
君は
黄色 だったのか
今まで ありがとう
誰の元へと
連れてかれるのか
詳しいことは
わからない
でも
君は 必要とさ ....
夏を迎えた空に
片方から太陽の手が伸びていく
時々、雲をつかまえながら
よりコントラストが強くなった正午
ヘッドフォンの小さな隙間から
あなたの歌声がはみだしたような気がした
6年も前 ....
青い空
空と大地の狭間に風が舞い
生まれた言葉たちが
透き通った身体で浮遊する
指の先で感情と水蒸気のバランスを測り
言葉の記録簿に記していく
黒い雲
心の急激な気圧変化に
....
光り冷たく無反射を散り散りに
形の取れない闇やみと取り囲み
遠くで海潮が轟くも響きゆかず
虚しく静寂の木霊去る
思想が消え去った
世の中で
金の重さだけが
身にしみる
生の果てに迎える
死でさえも
路上で死に絶える者と
大学病院で手厚く
看取られる者がいる
同じ死であっても
同じ死で ....
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