すべてのおすすめ
朝のやかん
なぞって
もう一度寝る
エビの夢を
見ながら

+

階段
すべてが
階段
そんな
建物

+

夕刊の
「帰」という字を
黄色く
塗っていく ....
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタ ....
ため息が汽笛となり
涙は色の無い雨となり
配膳車で旅をする
乗っているのは
おまえたちというより
俺たち
港町
哀歌
巨大なカウンターに腰掛け
俺たちは
おまえたちの肩を
そ ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
部屋の中で素振りをしていると
外は激しい雨が降っていて
どこかとても遠いところから
僕の知らない動物の鳴き声が聞こえる

シマウマはたてがみも縞模様なのだと
テレビ番組でやっていた ....
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
おおきい かあさん おおきいな

ちいさい とうさん ちいさいな

ひるね ひるね らいおん ひるね

おしろのてっぺん こうじちゅう


+


さとうと えんぴつ けんかし ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
くちびるを閉じると
世界とわたしは
分かれます
くちびるを開くと
世界とわたしは
またつながります
分かれたり、つながったり
くりかえし、くりかえして
わたしはまた少し
遠くへと ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
にゃんでか知らにゃいけど
「にゃににゅにぇにょ」
が言えにゃくて、全部
「にゃににゅにぇにょ」
ににゃる
日常生活に支障はにゃいもにょにょ
こにょままでは
僕が僕でなくなってしまう
 ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
今朝、レモンを産んでしまった
それは、色も形も匂いもレモンそのものだった
もし産んだのが卵だったら対処のしようもあったろうに
なんでレモンなんか産んでしまったんだろう
レモンに耳をあてると ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る

”お気をつけて”

その一言だけが伝えたかったのだけれど

ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
カーテンを開けると大雨だった

ひどく気が滅入る日曜日だ

さらに気が滅入ることに

カーテンを開けたのは彼女の方で

私は外で立ち尽くしていた
牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった

妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした

毎朝、新 ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
普通の椅子だったのに
ある日、突然
わたしは人になった

初めて目でものを見た
初めて呼吸というものをした
初めて手でものを掴んで
初めて足で歩いたりもした

椅子に座らなければ ....
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない

もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
あなた、頑張って

隣で寝ている妻の寝言にびっくりした
寝ているのに何故わかったのだろう
わたしはちょうど42.195キロのフルマラソンの最中で
トップを走っているのだ
これからきつい ....
駅前で冷蔵庫が名刺を配っていた
私も一枚欲しくて列に並ぶ

冷蔵庫の中が無性に見たくなって
ドアを開けようとすると
少しムッとしたみたい
ガサガサ音をさせる

もらった名刺には冷蔵 ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった

洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている

貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
夏痩せしたみたい
はり金が差し出す腕は確かに細くて
どこまでが腕でどこからが腕なのか
わからないままに、痩せたね、とさすると
そこはこめかみよ
拗ねたふりをする

食卓には温めたロー ....
(一)すべてのものは

日が翳っている
四月は末日
冷たい図書館の
その片隅で


ある日、男が生まれ
ある日、死んでいった


たった二行の
歴史書が
誰にも読まれること ....
街中ですっ転んだ
視界にあるのは人の脚

何事も無かったかのように通り過ぎる脚
立ち止まってこちらに視線を投げかけている脚

スーツの脚
ジーパンの脚
スカートの脚
ルーズソック ....
小川 葉さんのたもつさんおすすめリスト(450)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
小詩集「書置き」(一〜十)- たもつ自由詩1705-9-30
センター- たもつ自由詩1405-7-16
演歌- たもつ自由詩1005-6-10
すべてのあとで- たもつ自由詩4705-6-2
素振りなら負けない- たもつ自由詩1605-5-24
梅干- たもつ自由詩32*05-3-9
ファザー・グース- たもつ自由詩15+*04-12-20
十階の家族- たもつ自由詩101+*04-12-11
童話(詩)- たもつ自由詩45*04-7-28
童話(声)- たもつ自由詩1904-7-18
童話(春)- たもつ自由詩1604-7-17
童話(羽)- たもつ自由詩18*04-7-16
にゃ- たもつ自由詩3504-5-18
戦っている- たもつ自由詩4504-5-11
レモンの日- たもつ自由詩4204-1-30
発車ベル- たもつ自由詩3203-12-18
大雨- たもつ自由詩2603-11-13
一杯の牛乳のために- たもつ自由詩1903-11-2
世界エレベーター- たもつ自由詩3903-10-14
普通の椅子- たもつ自由詩903-10-3
きりんタクシー- たもつ自由詩1203-10-3
置き場- たもつ自由詩1803-9-30
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
本当の名前- たもつ自由詩703-9-8
生きていくこと- たもつ自由詩1003-7-23
時代- たもつ自由詩1703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
週末の過ごし方- たもつ自由詩903-5-14
旅路- たもつ自由詩1003-4-20
人の脚- たもつ自由詩2103-4-2

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