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12月に雨は
不意に止み
突然降り出し
しかし僕は夏のさなかとかわらず
鬱蒼とした森の奥の洞窟
その奥の方へ
ぼんやりと
歩く
黄色い毛並みの蜂蜜熊のよ ....
窓際に
置かれた
書棚
その窓はすりガラスで
鉄線が格子状にガラスの中に張り巡らされている窓で
北側の壁にはめ込まれている
僕の腰ぐらいの高さの書棚の上には
郵便物用の ....
冬が秋に流れ込むとき
夜に長い雨が降って
切れ味の鈍い刃物みたいなつめたさの水が
体と体の間に滔々と流れた
僕はとある地方都市の道の真ん中で生まれて
都市計画がめずらしく ....
雨滴が窓に流れて
十月の始めの夜
よく揺れる電車
じつはもう雨はやんでいる
急行から乗り換えます
タウン オブ エタニティ ハッピーで
今僕の家は高井戸
巨大 ....
冬の中のジャングルジム
僕登り
君降りる
色とりどりの鉄パイプをカサカサの手で握って
きのうは一晩中雨が降っていたので
手のひらが濡れるよ
嗅げば鉄のにおいがする
僕はとりあえず天辺まで ....
インターネットで獣姦映像を閲覧し、真摯な表情で馬公の怒張を陰部に導く女性の眉根のシワに溜息。入るはずもないのに。
そんなものを見ながら久しぶりに訪れた快晴の休日を過ごした。
一瞬咲き乱れた金木犀も ....
太陽が落ちかける頃
森の中で
ベンチに君と座った
今年最初の蝉の鳴き声
そこで聞いたんだ
月が霞んで見えた
高すぎるビルに囲まれた場所
誰もいない場所をさがして
ベンチに君と座 ....
この街の果ての海はいつかみたあのひろい川の河原に立っていた
海まで10キロのしるべが指していたもの
海鳥がゆっくりと羽をひろげ
それは昔見た映画みたいにゆっくり瞳に映しだされる
....
暑さ蒸し返し始めた
暑さ
黒いパーカの袖は汗に湿って
そして子供の頃にも一度感じたことのある憂鬱またやってきた
しずめつづけられる
意識の基礎がそれに塗りこめられて息がし ....
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