人が笑っている
マユミが笑っている
マユミは母
オサムは父
オサムは死んでいる
 
首を洗って待ていろ、と
テルヒコに言われ
二十年、首を洗って待ち続けた
首だけがただ
 ....
 暑中お見舞い申し上げます。   たま



 地下鉄

地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
その日の記録。

 宮城県沿岸部某市内,内陸部にある職場にいた。
 ちょうど子供らは午前中で解散。仕事区切りをねぎらう昼食会の担当になっていたので,予約してあった菓子と飲み物を店に受け取りに行っ ....
少年よ、きみは、決して働いてはならない
労働するなかれ
きみの魂をきみならしめる何ものかのためのほかには
落ちているパチンコの玉に映る空に
きみの希望をすべて投げかけよ
博打をうて
冬に備 ....
ベッドに、青い月光がさし、
はじめて来た女の子をキャンセルし、
しみじみ、
厄年は恐ろしいと、打ちのめされる。

とうとう、
ぼくも、性病持ちだ。


おちんちんになんかの消毒液 ....
エドワード・W・サイード「知識人とは何か」

・ものの本によると、鮎川信夫は「全員が賛成した意見に対しては、
 その事だけで、知識人たるべきものは、反対する理由がある」と言ったという。
 また ....
何処までも続く田んぼ道を
傘を差しながら歩いていた
泥濘に足を捕られ
踏み込んだ足音に
ため息が一つ、呼応する
辺りはすっかり暗くなった

バスの停留所が見えるまで
ひたすら途方も無 ....
2トントラックに
沢山の腐った死骸を乗せて
叔父さんと二人で焼却炉へ

気まずい車内に酔ってしまうと
何故かだいすきなひとを
じわりじわりと思い出す


揺れる車内に散らされた腐敗臭 ....
生きて
死んで
(産まれて)
(消えて)
 
 
少年は灼熱の路上に蟻のように群がった
焼けた手足は剥がれた世界と同化した
 
 
生きて
死んで
(産まれて)
(消えて)
 ....
君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の
最後の楽園へ
マンションに包囲されながら
奇跡のように生き残った
ちいさな田園のそばへ

君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の ....
 
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
カラメル岬に家を建てて住んでいる
からまる君のもとに
こんがり山からとんがり君が逃げ出してきた
住んでいた山が焼けてしまったのだと
黒焦げになってもう帰れないのだと訴えてきた
からまる君 ....
鱗が一枚一枚
剥がれ落ちるように
今はまた
別な種類の魚になって
あなたを飼うことに
とても忙しい

引き出しを開けると
テーブルと水草がないので
ホームセンターへ買いに行く ....
つぶれたステーキハウスの駐車場に
制服を着た男の子と母親らしき人が立っていた
二人でじゃんけん遊びをしていた
昨日も同じところにいるのをバスから見た
違う遊びを楽しそうにしていた
毎日あ ....
ごみ捨て場に
ものさしが捨ててある
とても使いこなされた
古い単位のものさし
やはり捨てないことにしたよ
と父が来て
拾いながら横目で
お前のものさしはいいな
と言った
二人にはまだ ....
    *a Harvest
蒸気に捩れるジョーカー 食器、ティーカップに満ちる収穫
  —Tanトゥゥ-rwル・Tanトゥゥ-rwル・Taxxゥエii-ルウrwル'ルェ 
ハートの ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて

 ....
虹がミドリで怖い
茶色がミドリで怖い
喉の奥がミドリで怖い
目を瞑るとミドリで怖い
近所の肉屋がミドリで怖い
ドアを開けるとミドリで怖い
黒塗りのベンツがミドリで怖い
彼女の浮気の言訳が ....
夢が
ラーメンと絡み合い
汁を押しのけていた、朝の
ギターは脂の
のった昼下がりの
温度

散った
花は焼肉
ぼくと一緒に
焼きそばを探しに行きましょう
乙女の
腹の贅肉 ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
弾が来て
落ちると
なかは鳥だった


音だけの羽が
土になびく


三角の影が
道の端に
牙のようにつらなる


空をゆく弾が
曇に消える
遠い光が
聞こえ ....
てのひらから青い地球がころりとこぼれ落ち
てしまったので、園児たちはみなぽかんと口
をあけて空の穴を眺めていた。外は真昼で季
節外れの台風のように雨が降っている。降っ
ているのに空は晴れている ....
スーパーマーケットの野菜畑で
トンボを追いかけてたら
彼女は冷凍食品畑で
ピアノのお稽古をはじめた

お父さんは
と聞けば、お仕事
お母さんは
と聞いても、お仕事
おじいちゃん、おば ....
剣、と
よぶのを避けたくて
声はひとつの
武装と知った

ちいさな胸を
軋ませてゆく重みが
町だとするならば
すべての指が
ともされる


祈りのなかを風は、
振り返 ....
お前
なめとるんか
こんなデータやったら
取らん方がマシやで

同期が上手くかからなくて
流れている光が良く解らなくて
細かくして見ても
雑音に邪魔されて

立場解ってるんかい
 ....
にちようびのまひる
夜勤から帰ってきた母が
茶碗を洗っている父に
仕事の愚痴をまくしたてている

母はこのあたりでは聞かない
すごみのある口調でしゃべる
南のほうの言葉だと聞いた
なに ....
ガラスのそとは{ルビ嵐=あらし}
あらしのなかの{ルビ緑=みどり}

義理の父母が使っていたという部屋は
揺れると天井からヤスブシンが降ってくる

容易に眼が利かなくなってしまって その葉 ....
 先日、横浜詩人会が主催するイベントに行ってきた。JR関内駅から歩いて数分、横浜スタジアムの近くにあるZAIMという古いビルの中のミニシアターで行なわれたものだ。第一部は横浜詩人会会員によるポエトリー .... よく見る夢の中で
会ったこともない自分が
苦い微笑を湛えて
母親のようにやさしく
手を振っているのが
そのまま来いということなのか
戻ってやりなおせということなのか
遠くてよく見えないの ....
システム関連スレ3
[101]片野晃司[2007 06/06 07:15] 
>ユーザー番号、ハンドル名
>文書番号、投稿者のユーザー番号、投稿日、タイトル
>ポイントを与え ....
田代深子さんのおすすめリスト(87)
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