? 片口鰯、かく語りき


司会の片口鰯が
自分の頭をかじりながら
話をまとめようとするので
なかなかうまくいかなななないのだが

烏賊はいかんせん
自分の足をかじ ....
{引用=




あまりに慌しい日々
今日も夕空を
眺められなかった


 せめて この夜は
 星巡りの旅をして
 遠いあの人に
 逢いたい


かなわぬ願いの上にも ....
いもうとを  見つけた
薄紅色のあじさいに架かる蜘蛛の巣に
囚われて 泣いて

いもうとを  見つけた
砂まじりの南風に吹き舞わされて
囚われて 叫んで

やあ ....
{引用=「序」


万華鏡に
甘い想い出だけを そっと詰めて

くるくるまわして のぞきこむ

金平糖のじゃれあうような
さらさらした音がはじけて

あまりの甘さに 歯を痛めて  ....
「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
夜の闇の 
海の 曲
無辺の潮が 
樹々を揺らす
光は踊りを忘れ 
抱かれる胸を喪った
荒れる雨も風も 
行方を知らず
破れた帆船は
宙空を彷徨う


  ....
{引用=


                     

さざ波の上の真昼
季節の道を飛ぶ鳥は
大気のつぶやきを浴びながら
虚構の街に舞い降りていく


その日も
 ....
{引用=


  ? 彼



味噌っかすの子でありました

家での安らぎの場所は押入れの暗闇
たいていそこで うつらうつらと

青空と雲
黄昏の風と 夕焼け
を眺めている ....
{引用=
  ? 風



何の拘りの
色調もなく
届けられた
薔薇の蕾

花言葉を探してみるが
ほのかに匂ふのは
五月の風


旅の君の便りからは
いつも金色が
 ....
どこまでも続く桜並木の先に在るものを
確かめたくて
あなたと手をつなぎ歩く

親子ほどにも見られそうで
控え目なあなたの腕を
胸元にまで引き寄せ
歳の差なんてね

桜は潔く散るから美 ....
本屋で写真集を買って売り出し中のアイドルと握手した。
机の下で何度も掌をジーンズにこすりつけているのを目撃した。
私は負けない。


吉牛で奮発して卵をつけた。
おもいっきし卵の殻が入って ....
 


ええさんに
てがみをかきました


うつくしいじで
てがみをかきました


きゅうじょうは
なんじょうになるのですかと
かきました


じゅうじょうですか
に ....
空の、あまりの青さが
出逢った日と同じ色をしていたから
なんだか違和感を覚えてしまって
それを誤魔化すように
むきになって笑ってみた

ここは夜景もいいけれど
飾り気のない素顔の街が見え ....
知り合いが流産しました
私にはかける言葉が
見つかりませんでした

明るく振舞う笑顔が
痛くて痛くて

こんな時にかける言葉を持っている人なんて
いるのですか?
その人なら痛みを ....
{引用=




  ? コラージュ


通勤電車の空間の歪み

ポリバケツの中をワープしながら
流転する定めの憂鬱な朝


紺碧の地面に近づく
窓外の空気

遠くに ....
見たまえ、この格子状の麗しきラインを
これこそがメロンパンだよ。
我々はかつてヴイーナスを美の象徴として崇めた。
しかし歴史は変わった。
アフロディーテすら予測できなかった時代が
到来して ....
なあ、雪、降ってるよ

なんぼ今年は暖かい言うても
冬は冬やから
ちゃんとあんたの見たかった
雪、降ってるよ

ベッドに横になる
あなたの瞼は死神の重しで
開かなくなり ....
この街が奇病に犯され始めたのは
冬が明ける前だった


『蒸発王』



最初の目撃は
髪の毛だったらしいが
全ての症状は同じだった


蒸発する


感 ....
家出したまま三日も
戻って来なかった日があったね
最近やたらにぼくの背中を傷つけるし
君の綺麗な爪はひどく痛むんだよ


確かに僕は毎日遊んでいるさ
でも誰と遊んで ....
{引用=
(蒼く淋しい春のただなかにいた日々
 たそがれどきの所在なさに
 私は絵本などをつくって
 遊んでいたのでした

  市販の便箋の絵のなかに )
}           
 ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて  ....
恥ずかしいことに
世界がこんなに醜いなんて知ったのは
長いこと生きてからで
そんなことも感じず
のうのうと
幸福で腹を満たし
偽善で呼吸し
精錬潔白を詠っていた

自分が
一番醜い ....
最近の紙ってのは
紙じゃないね
ケント紙だとかルーズリーフだとか
下らない
にじまない紙の何処が紙だというんだ

紙はね

にじんでこそ紙の価値が問われるのさ
とく ....
{引用=



多重の自我の
小箱たち
幾重にも
蓋われた 郷愁

 霧雨の中で
 冷たく濡れていた
 かなしみも

 木枯らしの中
 いくつもに分裂しながら
 泣き叫ん ....
「もう無理なんだ・・」 と

電話の向こうですすり泣く男の声を聞きながら
鳩サブレーの袋を破いた。

バターのきゅんと効いたこの銘菓を、私は好きだ。

ぼりぼり。

むしゃむしゃ。
 ....
むかしむかし

   {引用=(少し長く眠りたいんだ)}

めでたしめでたしにはなりません



『姫君と王子』



その日の姫君は
黒いシックな
ショートドレスに
本 ....
セロハンみたいな風に包んだ愛は届いたかい

暖かい海に浮かんだ Jelly Fish

Jewelryのような南の島で戯れた
恋はカラフル ビューティフル
 ....
{引用=




ふるふると
ふるるふるると
ふるものにさらされ
森は輝いているのでありました


君は小さな家の屋根に立ち
眼を細め わずかに首を伸ばし
しばらくは光の匂い ....
{引用=
                        

羽ばたくものと咲くものの別れの日
 そのそこに さらさらと
  さらさらと ながれている

輝くものと沈むものの分かれのは ....
最期の最期で
酷いことをする私を
憎んで下さい



私は明朝に死にます

信じられないことかもしれませんが

ちょうど三年前

死神が枕元でそう言ったのです



死 ....
海狸さんのおすすめリスト(64)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
片口鰯、かく語りき- Guy= ...自由詩7*07-7-25
七夕の夜だもの- まどろむ ...自由詩8*07-7-7
いもうと- 水在らあ ...自由詩22*07-7-6
ある雨の日より- もも う ...自由詩48*07-6-17
京都三橋_- Rin.自由詩40+*07-6-13
海賊の星は墜ち- まどろむ ...自由詩8*07-6-8
紫陽花の面影- まどろむ ...自由詩8*07-6-5
ある親友- まどろむ ...自由詩14*07-5-13
五月の- まどろむ ...自由詩17*07-5-8
さくら、ふたたび- 恋月 ぴ ...自由詩38*07-4-22
私は負けない。- もののあ ...自由詩31*07-4-21
おてがみかいた。- 橘のの自由詩1007-4-19
ヴィーナス・ブリッジⅡ- Rin K自由詩32*07-4-18
無力- 優飛未詩・独白6*07-4-9
春にゆれて- まどろむ ...自由詩9*07-3-16
メロンパンは語り尽くす- ブルース ...自由詩8*07-3-12
雪桜(ユキザクラ)- なかがわ ...自由詩3*07-3-2
蒸発王- 蒸発王自由詩13*07-2-25
春のこの夜、誰よりも君を愛す。- まどろむ ...自由詩8*07-2-22
絵本「魔法の林でかくれんぼ」- まどろむ ...自由詩4*07-2-6
わたしが死んだ後に- なかがわ ...自由詩15*07-2-2
義眼の彼岸花- 蒸発王自由詩6*07-2-1
或る紙すき職人の遺言- 蒸発王自由詩10*07-2-1
私のマトリョーシュカ- まどろむ ...自由詩14*07-1-29
鳩さぶれ。- もも う ...散文(批評 ...44+*07-1-10
姫と王子- 蒸発王自由詩5*07-1-1
Jelly_Fish- まどろむ ...自由詩3*06-12-13
星月夜のビーバー- まどろむ ...自由詩14*06-11-17
ながるる- まどろむ ...自由詩7*06-9-2
恋文- 蒸発王自由詩405-12-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3