2トントラックに
沢山の腐った死骸を乗せて
叔父さんと二人で焼却炉へ
気まずい車内に酔ってしまうと
何故かだいすきなひとを
じわりじわりと思い出す
揺れる車内に散らされた腐敗臭 ....
生きて
死んで
(産まれて)
(消えて)
少年は灼熱の路上に蟻のように群がった
焼けた手足は剥がれた世界と同化した
生きて
死んで
(産まれて)
(消えて)
....
薄い煎餅よりもさらに薄い布の上で
夏草を眺めている
ごろんとした四角い窓から
うっとおしい青がてらてらと笑ってる
堪らない蝉の大合唱は
まるで夏の少年だ
"甲虫 ....
夜中に浮かぶ雲達を数えていると
酷く寂しくなることがある
同級生の机に花があったときのような
猫が車にひかれていたのをみたときのような
そんなとき
私は数える手を一旦辞めて
三 ....
蒼白な表情を
死体の父は脆く浮かべた
体から湧き出る日常が
沢山の汚いを表現していて
宇宙の屑のように感じた
(からだの なかの
優しい、濁毒が
ピアノ ....
横たわれライオン
お前は長く走りすぎた
渇ききれないお前が
瞳に写すのは
限りない緑と
求めていたはずの
青だろうなあ
次第に灰色になるお前を
私は少しだけ強く覆うよ
まだ腐らないお前を、
....
あなさびし、
って
三十回言うと
幸せになれるらしいよ
酷く輝いた瞳で言う君に
一抹の不安を抱えた僕は
言わなくていいよ
と
少年のように返した
別に言っても ....
濡れそぼつ手で
旋律を撫ぜるかのやうに
彼は私の
両の乳房に、そつと
指を這わせてゆき
それはあたかも
神聖な儀式であるかの如く
誰も目にすることのない
真つ暗な室内で
執り行 ....
へらへら顔に
爆発頭
だけど心はセンチメンタル
僕に触れたら
誰もが懐かしさに浸って
死んじゃうから
離れててほしい
昔のアルバムを
朝焼けに
溶かしてしまいたい
十六 ....
下を覗くことも恐ろしい崖の淵で
座禅を組む
丸裸になって 下半身も丸出しで
座禅を組む
胸を張ると そのまま崖下へ転落してしまう
その恐怖の中で なお胸を張って
座禅を組む
....