すべてのおすすめ
四角い団地が建ち並ぶ
その中には四角いドアが並んでいて
ドアの向こうには四角い部屋が連なっているのだが
暮らしているのは どこか
丸みを帯びた人間だ
四角い暮らしに疲れてくると
人は ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り
だが本当は流されているのは雲の方
月は自分の道を行くだけだ
きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく
....
スーパーの立体駐車場に車を入れて
そのまま買い物に降りて行く
おにぎりとお茶は持参だが
ちょっと甘い物が欲しくなる
ねらい目は見切り品コーナー
大きなシュークリームが一個68円
....
一巻の蝶がほどけ
色と熱を失った記憶の羅列が
瞬きもせずに四散する
錐揉みの燃える落日に
ことばには満たない鱗粉が
乱反射しながら霧散する
重力が半減したかのように
その長すぎる ....
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように
すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小 ....
あなたのかたい頬
思いのほかやわらかくて
その冷やかな瞳にも
熱い涙は宿るのだが
心の奥深くに一つの扉があって
それは故郷へと繋がっている
絶対零度の沈黙
この地上の何よりも冷たい場 ....
季節の車輪を転がしながら
時代の坂道下って降りて
さあ年の終わりと始まりのテープが切られました
あなたの目にはどんな時代が見えますか
世界は灰色にもバラ色にも染まります
....
クリスマス以降
全くやる気が起きなかった
どうにか今日で仕事納め
やっと時間が心に追いついたのだ
裸婦像みたいな街路樹の肩にカラス
除雪車に削られた白い壁に車を着けて
ふ ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
閑散とした海辺のペンションのように
広々と逸脱した時が迎えてくれるのなら
片手間に解いてみるのも良い
この絡まった七色の意図を
だが
雨の指で打たれ続けることばは嘘
....
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る
初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
秋の海が荒々しく呼吸する
うねる波 遠く水平線の少し上に
厚く濃く垂れこめた雲また雲
ただ一人歩く砂浜は
自らの心象を行くよう
波に打ちあげられた貝殻や
流木のような言葉を拾いあげては ....
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが
エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く
寒くなったね
それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて
待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた
子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように
見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように
今日 一つの悪意がとぐろ ....
夏の雲は膨らんだ自我
眩暈 土砂降り 稲光
遥か上には秋の雲たなびく
天使の翼のように
美しき日に坂道を上り また下り
廃屋の漆喰は剥がれ落ち
背の高い草が住む
暗がりに ....
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
水草ゆれて
ふわりと
紅金色の着物も褪せた
年増女が二人
よもやま話 ....
万物が一つの花ならば
誰が愛でてくれようか
蕾のままに枯れて逝く
誰が涙を流すのだろう
....
いつも猫ばかり見ている
静謐な佇まいに時を忘れ
衝動のまま自らを由とする様に息をのみ
猫という美しい獣に憧れ続けている
わたしは悲しい犬
どれほど否定しようとも
....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
大海原の真ん中で
立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて
せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう
だが今 四方八方
....
夜よ ご機嫌麗しゅう
少し話していきません
ぬるい時間をちびりちびり
ロッキングチェアで揺られるような
取りとめのない浮世のことを
露出狂の政治家たちが
脂っこいことばを吐き出してはそ ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
垂直な光のピンで留められて
横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
まだ誰もいないスーパーの駐車場で
ぬるい風が砂埃を吹き上げている
一匹の小さな蛾が
逆らいながら飛んで行く
....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月
寝苦しい夜の何処からか
微かに 悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと 水浴びをする
乳房のように膨らんだ闇
白い 流 ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ
わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
暗闇
日は陰り片隅に小さく蹲り
音は次第に存在を増す
そして閉ざされた門の中で響き渡る
かくれんぼの鬼のように
孤独に数えられる
何が見える(ざわざわと)何も(ごうごうと)
見 ....
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように
風は愛撫する
幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を
市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上
心地良さげに ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
吉岡ペペロさんのただのみきやさんおすすめリスト
(287)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
まるしかく人間論
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ただのみ ...
自由詩
20*
13-2-1
孤高の旅人
-
ただのみ ...
自由詩
21*
13-1-26
なんかさめちゃって
-
ただのみ ...
自由詩
25+*
13-1-23
残像
-
ただのみ ...
自由詩
22*
13-1-19
稀有な月曜日/あたたかいもの
-
ただのみ ...
自由詩
21*
13-1-9
黒髪彗星
-
ただのみ ...
自由詩
20+*
13-1-4
2013年_新年に思うこと
-
ただのみ ...
自由詩
24*
13-1-1
連休熱
-
ただのみ ...
自由詩
15*
12-12-29
存在と錯誤
-
ただのみ ...
自由詩
28*
12-12-5
七色の意図
-
ただのみ ...
自由詩
17*
12-11-26
正気の沙汰
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-11-18
それもまた
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-11-1
もみじ悔いたし鐘は無し
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-10-25
廻り廻ってさようなら/月と蜘蛛
-
ただのみ ...
自由詩
30*
12-10-19
虚しい夜に描いた詩
-
ただのみ ...
自由詩
27*
12-10-13
今日_一つの悪意がとぐろを巻いていた
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-10-7
美しき日に坂道を上り_また下り
-
ただのみ ...
自由詩
22*
12-10-4
水中戯曲
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-9-27
____________夕日のように微笑んで________ ...
-
ただのみ ...
自由詩
26*
12-9-18
憂鬱の鎖
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-10
ろまんちすと
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-5
遥かな灯
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-8-26
夜よ_ご機嫌麗しゅう
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-19
遭難者の筆
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-14
僕が君を一匹のみすぼらしい蛾に譬えたなら
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-8-9
冷熱帯夜
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-8-5
ガラクタ宇宙船
-
ただのみ ...
自由詩
23+*
12-7-31
裸の世界
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-7-27
夏のこどもたち
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-7-24
雨読物語
-
ただのみ ...
自由詩
34*
12-7-19
1
2
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5
6
7
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