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答を探している
人生のすべてをかけて
日常の暇が出来た時を見つけて
探しつづけている
火曜日はよく燃えるので
腰まわりを綺麗にしておかなければならない
(よく湿らせておかなければ)
とも ....
――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために
?
たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
カレンダーを一枚めくる度に
当たり前に季節は深くなってゆく
ビルとビルの谷間の廃屋にひとり住む老婆は
知らぬうちに彼方からの者を迎え入れる
表通りでは今日も賑やかな工事が進み
誰も気づかぬう ....
何から何まで
犬の日々だった
私の瞳孔はつねに濡れていて
咽喉の奥はいつも渇いていた
風にさらされて 乾きすぎた手拭いのように
水に濡れた掌を求めていた
何もかもが
犬のようだった
....
――Sに
ばらばらにされる
(君のせいで)
俺が歩く その先々で
俺は自らの破片をばら撒いてゆく
路上に
天井に
....
――Sに
よく見てみれば世界は逆に回っていた
老人は杖を失い 赤子は乳を失った
退化の兆しを感じ取って皿はふるえ
投げられた石は空中に留まった
世界の最初は奇蹟だ ....
――Sに
すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
そのまっすぐな道を歩いているだけであった
だが
垂直に落ちる滝のようにひとつの感情が
....
溺れていく夏の海の傲慢を乗り越えて、原色
の光景にすべりこんでいく。速度を上げろ。
減速してはいけない。止まってしまったら、
たちまちにして恐怖がおまえをとらえるだろ
う。夏に生きる恐怖。夏に ....
――Sに
世界は美しいと感嘆する前に
やらなければならないことがあって
誰もがそこへ向かって走っている
完璧なソネットなど書けやしないから
俺の言葉はいつだって
掘 ....
夜 眠ろうとすると
世界中のあちこちから甥がやって来て
カブト虫を探してくれと言う
逃げてしまったらしい
眠くてもしかたがない
夜はまだ長いから
大勢の甥たちと一緒に
カブト虫を探してや ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地
(私はあ ....
詩のことについて考える。自分が詩を書いているということについて、その意味を考える。詩を書くことに意味はあるのか? あるといえば、ある。ないといえば、ない。はっきり言えばよくわからない。だが、自分が詩 ....
そして、
海は濁っていった。青黒く、あるいは黄色く、
濁ることで海はひとつの予兆を示した。水平
線までの正確な距離をはかろうと、漁師たち
は考えをめぐらせ、砂 ....
間違いを犯さずに
生きていようとつとめてきた
少なくとも
大きな間違いだけは
生後 という
言葉がある
生まれた 後
という意味だが
つまりはこの世に参入してからの
....
のこされた風の中
四月がやって来る
この思いをのこしたままで
新しい輪に入らなければならない
記憶を背後の倉庫に閉じこめて
残酷な月が始まる
すべての匂いや音や色が
われわれを呼吸困難に ....
人が日常生活において言葉を発する時、それは普通ごく近い場所を対象にしている。家庭でも、職場でも、あるいは街中でも、言葉は近くにいる人に向けて、または自分がいるエリアの中に存在する人に向けて発せられる ....
夭折
{引用=まだ生きているのか
そんな声が聞こえるのは
夜の 穏やかな枕の中だ
まだ生きている
時代を通過して
場所を通り越して
まだ何とか 生きているのだが
もう生きて ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって
風に舞っている
いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完
私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
ゆうらりと
ゆれてしまえばかげひとつ
かげとかげとがかさなって
もっとおおきなかげひとつ
もっとおおきく
もっとかぼそく
うたってしまえば 月 むざん
うたってしまえば 夜 むざん
....
ふと思いついて、昔書いた詩を投稿してみま
す。一九九〇年から一九九四年ぐらいまでに
書いたものを、自分の中では「初期詩篇」と
呼んでいます(それ以前に書い ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
{引用=(水無川は、神奈川県秦野市内を流れる水量の少ない川である)}
市内を流れる汚れた川
水量が少ないために
汚れがすぐに目立ってしまう
この冬はまだ 誰もがふるえて
大川橋を急ぎ足で ....
冷えた夜が
低地を這っている
これもまたもうひとつの
忘れられた夜であろうか
――あの人は
貴重な生を召し上がりました
何ひとつ 言い残すことはなく
混沌の角度で経験は薄まってゆく
....
(何ひとつ書くことはない)
あなたの存在そのものが
詩であり 世界であるからだ
鰐が天井にはりついて僕等を見下ろしている
それもまた
ひとつの世界だ
あなたは僕の父親と同じ歳で ....
通り過ぎる日々を
読みながら、君は空気の囁きを聴いている。
時は裁かれた樹木。刈りとられた枝の先に花
は咲かない。その細い腕に鶯などがとまって
みても、その歌は、駐車違 ....
いきなり断言してしまうが、名作とは天然である。隅から隅まで計算しつくして書かれたものは、実は名作の名に値しない。何だか自分でも辟易するほど古典的な考え方でいやだなと思うのだが、いろいろ考えていくと、 ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
いま この傾いた陽の中で起こる
出来事を讃えよ
祈りは虚しく 鳥撃ち落し
霜の降下は 胸患いの効果を現す
空にかかる花は 萎れ 枯れ果て
この寒気にふさわしい 闇が
笑いを噛み殺して ....
何故 君はいってしまうのか
大人たちよりも ずっと ずっと先に
危ないよ
あんまり先を急ぎすぎると
石ころだか何だかわからないものにつまずいて
転んでしまうよ
危ないよ
とん とん ....
私は海になる
ただひとり あなたのために私は
自分を分解して個体の部分をすべてぬき取り
液体だけで構成された海になる
父になることしか出来ない性の宿命
それでもかまわず
私は母のような海に ....
服部 剛さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(97)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
火曜日に燃える
-
岡部淳太 ...
自由詩
15*
06-11-5
最終行まで
-
岡部淳太 ...
自由詩
14*
06-9-26
秋の暦
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
06-9-16
犬の日々
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
06-8-30
破片
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
8*
06-8-25
虹、虹、雨、曇天、
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
4*
06-8-25
ポエティック・メランコリー・シンドローム
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
8*
06-8-21
溺れていく夏の
-
岡部淳太 ...
自由詩
16*
06-7-21
出来損ないの七十行
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
7*
06-7-17
世界中の甥
-
岡部淳太 ...
自由詩
15*
06-7-9
地霊
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
06-6-15
平準化する世界に対抗するために_——池袋ぽえむぱろうる閉店に ...
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
12+*
06-5-7
そして海は濁っていった
-
岡部淳太 ...
自由詩
11*
06-4-24
生後
-
岡部淳太 ...
自由詩
10+*
06-4-17
四月のいる場所
-
岡部淳太 ...
自由詩
16+*
06-4-11
遠い場所へ届こうとする言葉_——中村剛彦『壜の中の炎』につい ...
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
7*
06-4-6
夭折(三篇)
-
岡部淳太 ...
自由詩
13*
06-3-27
未完の夜
-
岡部淳太 ...
自由詩
18*
06-3-14
霊能者が書き留めた幽霊の聴こえない歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
06-3-1
初期詩篇選集「尾行者の音楽」
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
06-2-12
Blue_is_the_Colour
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
06-2-6
水無川
-
岡部淳太 ...
自由詩
2*
06-2-4
雨になる前に
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
06-1-17
鰐と谷川俊太郎
-
岡部淳太 ...
自由詩
5*
06-1-15
太陰暦の日々
-
岡部淳太 ...
自由詩
5*
06-1-4
名作は天然である
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
8*
05-12-31
世界の別名
-
岡部淳太 ...
自由詩
33*
05-12-19
真冬の惨事
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-12-11
罪のない子供たちの歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
9*
05-12-6
海になる
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-11-25
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3
4
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