インコが、ぴーちくちちちと鳴きます
空には大きな雲がゆっくり流れて行きます
風はまだ少し冷たいですが
日は少しずつ暖かさを増しているようです
さわわ、と風が街路樹を撫で
どこか遠くの懐かしい ....
郵便受けに
さくらの花びら

淡い水色の
小さな便箋

ゆううつの波に飲まれそうな朝のこと

春はまだ見えない
思えば今年の冬はいつもより少し長い

便箋の封を切ると
中からか ....
雪の結晶を ブローチにして 
蓮華の花で ティアラを作って

突然の 夕立に 行く手を阻まれても
二人で歩く 道の先が 霧に霞んで見えなくても

紅い薔薇の ブーケを抱いて
カスミソウの ....
オレンジ色に染まる公園で
僕はひとりかくれんぼうをする

ぞうさんのすべり台の上で
数を百までかぞえても
僕を探しに来る子はだあれもいない

風が気まぐれに揺らすぶらんこの
長くのびた ....
銀を光らせて
少年は輪をなげいれた
輪は的中した
{ルビ傍=かたわ}らに立つ年上の少年は
おだやかな黒い{ルビ眸=め}は
輪をとびこえて
はるかな向こうをみていた
そして
今初めて遇っ ....
空にはいつも夢があった
憧れが青くきらめき
愛さえも赤く燃えていた

だけどこんな曇り日には
未来が見えなくて
泣き虫の君の瞳から
大粒の雨が降る

悲しまないで 君だけは
決して ....
ピアニストの繊細な指だ
白い鍵盤をすべってゆく
まるで水鳥の夢見る羽ばたきにも似た
あるいは
まだ見ぬ色彩を生み出す画家の
狂おしいまでにあざやかな指先
{ルビ天地=あめつち}を踊る風の曲 ....
和泉蘆花さんのおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
丘の上の小さな気持ち- プル式自由詩10*07-2-11
たより- 夕凪ここ ...自由詩8*07-2-7
6月の午後- まりも自由詩6*07-2-6
夕焼けかくれんぼ- 未有花自由詩18*07-2-5
銀の輪- 石瀬琳々自由詩16*06-12-12
- 未有花自由詩15*06-11-20
美しい指- 石瀬琳々自由詩18*06-8-19

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