すべてのおすすめ
今日もまた この店に来る
昔から栄えていた 商店街の一角
日が沈むと
怪しげな ネオンが点滅して
どこからともなく もれる
男女の笑い声 娼婦のささやき
この店は 不思議
深い ....
雨 そして静かな脱力
歩道は しみじみと 打たれ
灰のあでやかな 輝きが増す
商家 商家のイルミネーションが
反射し 歩道を潤し
曇天の薄ピンクに 街は灰
唸る都市は 午後へと突入 ....
大系化された知識
たとえばヘーゲルの国家
シュタイナーのファンタジー宇宙論
たとえばテレビゲーム
巨大な大系は荘厳された城
法則 ルールを知っていれば
いつまででも 泳げる
囲われた ....
あなたと 命を分かち合う 夏だ
二人で出そうとした 文芸誌
この夏の熱気に溶けてしまった
文化祭のため夏休みを燃焼させた 八ミリ映画
これが あなたの遺影
あなたのスナップ写真
こ ....
けだるく 深く
大気はうねり
緩い曲線を描く
高曇りの靄に
太陽は弛緩して
街路樹 空をくねらす
小鳥の声 空の波紋
雲は雫で出来ている
まさに夏 夏の昼下がりに
木々 ....
地球の半分を勢力下に置いてしまった
巨大なハリケーン
天空を翔る
黒龍の赤々と輝く画竜点睛
歴史の営みのという織物に
鮮やかに織り出された
謎を問う図柄
潜在的な電圧を保った ....
樹木の陰が
けだるく映る
細い暖かな湧水が
濁りの池へ静かな型を決めて流れ込む
表面張力の曲線を孕み
丸あるい葉は
水面を押し分けて浮かぶ
黎明からひと時すぎた
小鳥のさえ ....
ハイ松の低く自生する
ゴロタ石の 登坂道
岩に付着した わずかな土を糧に
可憐に咲く 薄ピンクの高山植物
見上げれば
万年雪の雪渓
緑の絨毯と白い雪は
自らの領土を主張し
....
夕間暮れて 路地 細い道
地階への階段の踊り場にある
表現主義のポスターの裏に
アンダーグラウンドへの入り口はある
古びたポスターのすき間から
白くて軟らかな光は
水がはうように流 ....
夜を巡り
たどり着く
君の皮膚と薄皮一枚の距離
この夜を巡って
法華経を読経する
自死した 君や
見ず知らずの 霊に
夜の底で 親しく
妙に明るい 死者の森を
読経しなが ....
臆病な渓流の魚
生息の影 秘密めき
見上げる
木々の陰影
木漏れ日のわずかな流れ
遡行する 記憶の面影
二千五百年前 仏陀と
七百五十年前 日蓮と
この滝の巻き道をあが ....
沼に霧 立ち込める
そのように
寂しげな 繁華街の一角は
その 二階まで湿った汚泥
感情のむせび泣く 湿潤に覆われ
時は初夏
汚泥の沼に白蓮
救世の観音
その華に座す
....
我らは 語るべきだ
海潮の輝き
午後のけだるい 陽光を
夜は 底で 眠り
目覚めの朝露は打ち震えると知っている
我ら 踊る 身も心も捧げて
熱狂は 明日を作る
汗は額を流れ
濡 ....
冥王星の外側に
準惑星が発見され
エリスと名づけられた
ギリシア神話の不和と争いの神なそうな
結婚式に招待されない腹いせに
「最も美しい女神に」と書かれた
黄金の林檎を宴の席に投げ ....
微動だにせず
私をのっめり
包みこむ
この体温のような 空気
体がてろてろのゴムのように伸びきって
あくびが地面にのたくる
開け放たれた こころ
ネコがゴロゴロ
この体温の ....
唸る 大空
その飛翔を 速める 鳩
太陽は 今 南中
素早く たなびいて 雲
飛行機の残音
この 大空に 響き
風は 光の軌跡を 曲げ
大風 天を轟かす
太陽の光を求 ....
仄かに 風
責務を まっとうする 陽光に
五月 草木
いよいよ その 勢いを増す
光を受けきり たゆたう 我が身
午前の 陽光は
ストレートに 清く
この身は しっとり 息 ....
時の間に
時を分け
綺麗な 12等分の
パラソルが回る
かわいい雨が
頬をつたう
パラソルが揺れて
闇に落ちる雨は やさしい
きゅう・はち・なな・ろく
時の間に ....
朧月
空想の羽ばたき
漆黒に眠りつきそうな 月
静かな 夜を巡る
思いは宇宙に溶ける
平和に 一日を過ごした
感謝の思いを御本尊に報告しつつ
午後十時の唱題は声を細めた
....
いつものように
いつものとおり
ガンジスの砂粒ほどの
転生を重ねつつ
今生も また 仏の軍勢につき
いつものとおり
常勝の勝ち戦で
悪を催滅しさるので
関係各位にお知ら ....
青山 靄に 煙り
湖面を 船は 走る
静寂の朝に
日いずる 場所に
気功を練り続ける 古老
樹木に 鮮やかに その緑 輝く
僕たちは 近未来から やってきた
僕たちは 仙術の ....
空 遠く 架かる
空に月
雲 風に たなびいて
消えていった
静かな 寝息は
繭玉のように
部屋に 浮かぶから
子守歌は 歌い継がれて
とっぷり 日が暮れた
夜の 十 ....
今
冷たい驟雨は
晴れ上がり
光
雲間を裂き
法のごとき
日輪の蓮華 現れる
朝の勤行 唱題
南無妙法蓮華経
流れる 音声
流麗の時
焼香の煙り
龍神のご ....
華やぎが 映る
空は 鏡
地の気息 のびて
高曇り
幽玄の 桜花 咲き出でて
この空が 霞む
大きく 咲き出でて
春の 約束は 果たされて
桜花の樹の下で
あなたと ....
黄金のけだるい 午後
芽吹きの 呼ばわる メタモルフォーゼ
祝典の空に
春 大いに叫び
人と社会を 呼ぶ
激烈の春の陣列はパステルカラー
もう そこまで 来て
盛り上がり
....
古書店 まわりなどして・・・
『現代詩文庫』を幾十冊 読む
難しい詩論など いい
重々しく重層な 文体
軽妙でウィットのきいた詩
感性を逆なでして目覚めを促す 檄文
そこには ....
世界に向かって
自ずとこうべが下がる
私を この世に 送り出してくれた
父 母に
今日の コーヒーを 飲めることに
行った事のない 南アメリカの大地
屈強なあるいはか細い
季節 ....
高曇る
淡い灰色の空
ほどよい
緊張と弛緩
パステルで空に
輝く雲を 描いて
金色の輪郭を 希望で埋めつくしたら
そっと 諸天 善神が めくばせをするから
微笑みのなかで ....
朝の目覚め
夕の眠り
毎日 毎時
小さな『死』を繰り返す
潮が満ち
そして 今
引いてゆく
裸で生まれ 裸で死んでゆく
なあ 君よ!
この世でのカルマ(行為)が
....
若い 日より
私に 心の叫びが あった
『臨終 只今』・・・
若き日の 嵐のような 感情の 起伏
暗い 濁流に 流れる 一枚の木の葉
焦燥し まんじりともせず 眠る
暗くした ....
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