すべてのおすすめ
生まれた命のかずだけ
追憶はある
みんな誰かしらの
何かしらの追憶なのだ
この夜も、あの朝も
昼間もあったか、夕暮れもあったか
七千年まえのナイルの少年の
....
ここも宇宙だった
空ばかり見つめていた
ぼくも宇宙だった
永遠ばかり見つめていた
未来ばかりを見つめていたのだ!
永遠は机上にあるものではない
永遠とは実在する ....
エアコンが故障した
だから二階のフロアは
午前の薄いひかりに冷えていた
メーカーに調べてもらうと
コンプレッサがいかれてしまっていた
灯油ストーブをレンタルして
寒 ....
言葉たらずとは
なんの例え話なのだろう
言葉を見つめている
言葉もこっちを見つめている
言葉たらずの愛
目的や嗜好やタイミング
そんなのが合わない
合わない気 ....
山陰地方の刑務所で演奏したことがある
開演まえ刑務官が所内を案内してくれた
哀しみの影を探そうとしてしまうわたしがいた
風呂場も見せてくれた
それには少し違和感をおぼえた
演奏会がはじまると ....
透明は無ではないのでしょうか
無というと暗闇のような気もしますが
無よりも無なのが透明なのではないでしょうか
透明とは無をも包む存在に思えるのです
最愛を失ったこの胸の穴ぼこが ....
心根にある切実を
切実に灯るちいさな火を
リレーしながら
なにをかへとひとは継いでゆく
そのちいさな火
すべてが純潔だった
なにをかから見つめると
そのちいさ ....
あなたの心根を信じたい
無関心にも似たそらが
わたしを信じてくれているように
あなたにも
わたしの心根を信じてもらいたい
執着にも似たあいが
いまもあなたを信じてい ....
つたえたい言葉
のぞきこむようにして
きみと喋っている
意識をすぎてゆく
音にかえて
のぞきこんださきには
詩にもならないちんぷな台詞
ばかり
愛してる ....
愛といのちは似ているかも知れない
どちらも永遠ではないところが
どちらも生きることそのもののようなふりをしているだけで
なにかもっと大きなものの仮の姿のようなところが
自尊 ....
あのころの今
こんなふうにしていたから
こうなれたとかじゃなくて
あのころの今も
こんなにふうにして
どう転ぼうとも頑張っていた
暗中模索、徒手空拳でやっていた
....
きみの傷を食べたい
手にとって口を汚し
きみの痛みと同苦したい
冬の帰り道
きみを拉致しにゆく
きみを殺しにゆく
ぼくらはちがう空の下を歩いている
月の満ち欠 ....
妄想をやさしくふくらませて
勝手にせつなくなろうとした
なにかを突破しようとした
きみの一言一句を推理する
ぼくはひとりの探偵だった
欲望に
肯定的な推理だけをした ....
かんかん照りの星空に
ふたりの哀しみ
狂いなく配置されている
ぼくらは模型の街にいるようだ
ふゆの夜が
星粒を散らしている
見上げるたび
眩暈してふらつい ....
年若い側近たちが
まじめな顔をして公文書を焼いていた
四月の夜だった
焚き火の明かりが
周りの壁に影をめくっていた
憔悴した彼がそこに立っていた
髭のうえの彼の鼻が ....
哀しみにおそわれる
生きていく苦痛にとらわれる
人一倍傷つきやすく
人一倍じぶんを超えようともした
胸の痛みやしびれがなくなるまで
大義名分をさがして
モーツァルトのピアノ協奏 ....
その恋が不倫だとか浮気だとか
ひとに言われてもピンと来なかった
身の上話をして
親にすてられたんだねとか言われても
じぶんにはピンと来なかった
太ったねとか痩せたねとか言 ....
じぶんの感情を充たす
その感情とは
ほんとうは何の仮の姿なのだろう
ぼくはとまどっている
世のため人のためなら
ここから降りるべきだろうか
ぼくはいまを生きている
....
からだや精神のからくりを
勉強したくて
ふたりは抱きあったのかも知れない
女は女のゲイだと言った
俺は男のレズだと言った
からだというのは歳を経てゆくと疲れやすくなるようだ
二十代のころ風 ....
朝日に曝される夕べの残滓
そんな粗雑もたまにはいいか
長い目で見るって
時間レベル?
たましいレベル?
生きているうちに結実するものなんて
成功か失敗しかないと思う ....
空から腐葉土の香りがした
僕らはなんて孤独なのだろう
空を見つめている
ひとのこころは遠すぎて
僕らはいつもとり残されている
同苦したくてありったけの
こころをかき ....
ひとを信じるということは
コミュニケーションにおいて
もっとも大切なことのひとつだ
じぶんを信じてくれているひとを
信じないなんてもってのほかだ
願いごとを口に出して ....
うつろう自然と人々のいとなみを
列車が直線に突き抜けていった
車窓から
世界が紅葉で汚れているのが見える
ちいさな山の連なりに
湯気のような霧が溜まっている
灰白色の低い空には
楽しいこ ....
こころの成り立ちがわからない
こころは支配できるものではない
こころは何処へかむかっている
消えてしまうこころなんてあるのか
永遠のまねをして太陽は
ぼくらと同じ有限 ....
なんども欠伸をしたけれど
深い海鳴りはやまなかった
孤独なのは俺が
ひとには言えないことをしてるから
そうさ、それが
知らぬが仏、ということなのだろう
なん ....
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