1
私は光である。
光を放つ主体、身体である。
この光が絶え入るとき、
私は始めて死の恐怖を抱くのだ。
2
あなたは光である。
光を放つ主体、身体である。
この光が絶 ....
雪
と思ったのは、鳥の羽だった
くるりとやわらかに丸まった羽毛が
風で、路上に転がって
ここで何が起きたのか知らない
鳥の姿も、形も無い
アスファルトには点々と
わずかな血痕が残され ....
十五の時に知ったんだ。
月の中身は空っぽだとさ。
アポロ壱惨号が月に激突した瞬間、月はぐわんぐわんと揺れたという。
十八の時の彼女が「泣ける。泣ける。マジ泣ける」と聞いていたJ-po ....
夜に投げたる我が声は
君に届くと思はれず
夜に唄ひし我が声は
夜に砕けて散るがよし
朱夏の恋路の急坂を
上り下りも覚え得ず
ただひたぶるに足掻きをり
ただ愚かにも足掻きをり
君 ....
枕元には雨の匂い
室内はいつもより無機質
コップに挿した一輪は真っ赤な横顔
衣擦れの音も呼吸も壁に吸い込まれていく
表情豊かな外形が圧迫するのは君の胸
心の濃度が薄まると疎通を ....