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朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。

体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。

あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
国語の時間は書く事が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱の中で一休み

社会のテストは筆記が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱 ....
雨の降る日は絵の具の匂い
絵描きも今日はお休みさ
いろんな絵の具で塗った世界も
雨がみんな落としてしまう

雨の降る日は絵の具の匂い
空も街も灰色さ
ちょっぴり悲しい色だけど
雨はみん ....
その手紙には
「ムーミン谷の近くから見送ります」

書かれていた
さよならのつもりは無かった
けれどあなたは駅には来なかった
わたしは
ぺしゃんこになった
まだ雪の残る街を出て
雪 ....
僕らの虹が逝った
二人で棺に入れると
弓型に過不足なく納まった
最後まで色たちは
混じることも濁ることもなかった
一緒に入れた物がはみ出ていたので
係の人が少し押し込み
蓋は閉め ....
 蛾は、何故あの月を目指さないか

 あの燦々と煌く夜空の星を愛でないか


 愚かか

 人の造った軽薄な灯にたかり

 一箇所に吹き溜まる


 昔、お前らはもっと美し ....
あおむけになって寝て
しゃべって笑って
ふっと黙って

あおむけになっているところだけ舟

ひとりぶんの

ちいさな


{引用=
私は目をつむり、水のゆらめきに合わせた動きの ....
いつもの時間に起きて
いつもの道を通って
学校に着く
教室に入る
決められた自分の席に座る

黒板の横の時間割を見れば
今日一日はすでに終わっている
自分の時間はどこにもない

自 ....
一面に広がる{ルビ金色=こんじき}の 
麦畑の上に浮かぶ 
一本の道 

飛び込み台のように 
道の途切れた向こうに浮かぶ 
{ルビ一艘=いっそう}の船 

途切れた道先に 
組んだ ....
くちびるは濡れるから
ことばもいつか
濡れてしまう

めぐみと呼ぶには
砂ぼこりが多すぎる



古びてゆく壁に耳を寄せたら
わからない音だけが
あふれて

古びていたの ....
窓辺から流れるやさしいアヴェ・マリア
おねえさまの奏でる白い指先
つい見とれてしまうほどとても綺麗で
おねえさまと呼べる喜び
今深く心に感じています

親愛なるおねえさま
あなたはもうす ....
ハロー、グッバイ
まわる世界
君の手のひら
夕暮れてく空に
まどろんでいても
昨日の続きなんてどこにもない
意識が遠のきそうなほどの
鮮やかなオレンジ
それでもうまく
あの空の青さに ....
献血に行ったら
貴方の血は夕焼けなので
輸血用には使えません

断られたことがある

16歳の頃の話だ


『血液奇談』


今は何の因果か
私は血液職員として献血車に乗り ....
ナベダ。と、いえば白菜
椎茸と人参、牡蠣も好いし
牡丹肉も好い、
豚でも鶏でも好いけど
鴨が好い。素晴らしく鴨は美味い

しかし皮ハゲも好い
肝をすり潰したやつとポン酢でいただく
そし ....
季節外れの海辺に残されたものは
一夏の甘い恋物語
青春時代最後の思い出
そんな綺麗なものじゃない

あるカップルは
変わらぬ愛を誓い合いながら
かき氷のカップを砂浜に投げ捨て ....
  やさしさと、            
  いつも呼んでいた
  傷つきやすいその心を
  やさしさだと、
  呼んでいたあなたの
  傷つきやすい心


  秋の終わりの
  ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
冷たい朝が始まる
身が引き締まる
同時に
心も引き締まる
北の窓がかたい
冬の朝にふさわしい

のどかな昼が始まる
身が緩んでゆく
同時に
心も緩んでゆく
南の窓が優しい
冬の ....
私は薄い橙と白をちりばめた花束を買い
今日も此処で貴方を想う
数年前のあの日バスから降りてきた貴方は
手にいっぱいの花束を抱え
顔いっぱいの笑みを浮かべ
驚いた私を嬉しそうに見つめた

 ....
古びた 石でできた半円球の舞台があって



その中央には それまた 大層 古びた ピアノが一台




音が出るのか誰もしらない。
そこへ辿りつく者がいないから。
誰が置いたの ....
おしまいの日がくるから
もういかなくちゃ
たくさん あそんだ

散らかったカード
クレヨン
すべてが
中途半端に微笑んで

楽しい時は
だけど
いつかは終わること
いったい
 ....
不思議だった
いつものオリオン座が
いつもよりも綺麗だった
寒い夜だというのに
しばらくの間
その輝きを見つめていた

不思議だった
いつもの霜柱が
いつもよりも美しかった
冷たい ....
電柱が侵食する細い坂を
テクテクと上る帰り道
背中越しのフロントライト
生き急かすようで落ち着かない

今日を振り返る帰路は
目の前に細く伸びる影さえ
緩やかな歩みを許さない

小さ ....
流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す

星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
曲がり角

バイバイの後
聞こえる笑い声

バイバイの後
つまる言葉


独りで帰る

冬空の下
三丁目にある教会のマザーがこう言った
私だってファックって言いたくなるのよ
なぜってドキドキするからよ
女の内側が燃えてきそうになるの

ブレイクファーストを運ぶ彼女はいつだって
 ....
 さえない毎日はグレー
 北風吹く財布の中
 年の終わりに振り返る
 まだまだ先の見えない生活
 やり残しの多き課題
 雑踏の中に消えていく個性
 まばらに見え隠れするのは
 等身大 ....
空をけずるおとのする 大風のよる
ふたりで二尾百円の鰯をたべる

おさないりーちゃんのいうことには
こんな風 神サンのおうち とばへんやろか

ピンクの箸で鰯の肉を運ぶ
りーちゃんの「神 ....
その人が生み出す詩は
言葉が前倣へをして
心地の良い感覚を保って
キチン、と整列をしているのだ

私の言葉たちよ
少し、見習ってはくれまいか。
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
武士のつかい- 佐野権太自由詩58*07-2-6
まあいずれにしろ。- もののあ ...自由詩43*07-2-3
鉛筆と消しゴム- 1486 106自由詩13*07-1-29
雨の降る日は絵の具の匂い- 未有花自由詩13+*07-1-29
ムーミン谷の近くから- チアーヌ自由詩906-12-23
- たもつ自由詩2206-12-22
- 190cm自由詩606-12-21
あおむけになって寝て- ふるる自由詩19*06-12-20
自分の時間は必ずある- ぽえむ君自由詩7*06-12-20
麦畑の舟_- 服部 剛自由詩16*06-12-20
遠雷- 千波 一 ...自由詩20*06-12-20
おねえさまへ- 未有花自由詩11*06-12-20
手をふる明日- 夕凪ここ ...自由詩8*06-12-20
血液奇談- 蒸発王自由詩14*06-12-19
ナベダ- atsuchan69自由詩7*06-12-19
海水浴場- 1486 106自由詩3*06-12-19
夕暮れ組曲- 嘉野千尋自由詩20*06-12-19
恋人とのわかれ- 吉田ぐん ...自由詩2706-12-19
ふさわしい冬- ぽえむ君自由詩10*06-12-19
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その森の中程には- ウデラコ ...自由詩5*06-12-18
海の終わり- umineko自由詩17*06-12-18
不思議だった- ぽえむ君自由詩17*06-12-18
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祈りのとき- 銀猫自由詩25+*06-12-18
・曲がり角・- はち自由詩306-12-18
ファック&マザー- なかがわ ...自由詩6*06-12-18
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鰯の話と神さんと- 六一介自由詩406-12-17
憂鬱- 渡邊永遠自由詩5*06-12-17

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