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アイスコーヒーを注ぎいれた グラス
暖かな部屋
午後の陽射しは
読み止しの本の名は
『ルネサンスの占星学』
人が ぱらり ぱらり 行き交う
食器が カチ カチと音を立てて
動 ....
部屋に射し込む
だいだいの日
焼香にきっぱりと想い
立ち昇る
紫雲のたたえた水煙
空間にたなびいて
仄かな薫りに引き付けられた
靄のごとき幽体 浮遊して
見事に手の様 ....
竹 光る 竹林
奥深く
開けた場所
みみを澄ますと 聴こえ始める
大白法の 南無妙法蓮華経
なな色の虹の天蓋に つつまれて
美少の少年 結跏趺坐し
お祈り 申し上げます ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く
ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて
うたた寝をしている
ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
空間のほとばしり
陽射しは くね くねっと のたうち
ホ・ト・バ・シ・ル
春だったりする日
肉体は軟らかく 伸びきって
太陽を握りつぶしてみたり
口の中のキャンディーだったり
ア ....
南中 傾きかげん
午後は冬枯れて
ゆっくり暮れ始め
つる草の茎は乾く
雲が湧き立つ
空き地の水溜りに
空が留まり
太陽が雲に隠され
疾風が翔る
空と大地が近づいているだ
....
この快晴烈風に
栗毛の駿馬の体が発している
いななきと情気した 赤い汗
馬が飼われている
隣の部屋では
いつも朝日が細く差し込んでいる
扉を開ければ
広い原野は俺のものだから ....
三日に一度は
インスタント食品レトルト食品
ベッドに広げられたシーツの皺のように
時間は寄せ集められるから
僕は読み止しの本を手に取る
気の利いた中国製の服が
安価で手に入るから
....
日本列島を
雨雲が寄り添うように
駆け抜けてゆく
北では きっと雪が降るのだろう
ここで午前十時の雨を受ける
たゆむ心根を引き締めるような 寒さ
灰色の雲から滴る
甘い雨
ベラ ....
東洋の衣擦れの神秘
東北アジアの声
か細い娘たちの声帯が
鈍く くすみ 角の取れた 重い
エイトビートに乗り始める
ひとたび 音楽チャンネルを無造作に回せば
ロックエイジ 二世代 ....
きんとした
爽やかな空気が
空を大地を満たして
あの路地を折れた
静かな小道は丘へとつづく
ひっそりと冬枯れを始めた
雑草の生い茂る細い道
つる草の茶色に枯れた茎が垂れ下がり ....
夜の始まりは
もうそこまで来ている
この夕刻の佇まいに
街よ 街よ
幾千人の人が
整備された
君の歩道を歩む時
街路の樹木も色づき
寂しげに 落ち葉も 舞う
この風に
....
白い浄化を溢れさせて
黒澄みの空
甘く 冷たい
雨を滴らせて
カーテンの先
闇の深みから
雨音は ほてった一日を
冷却して眠らせる
人は明るい蛍光灯の下
深い息を溢れさせ ....
正しい 陽光が見える
肌に心地よく
暖かな圧をともなう
今日を確信させる
無色・透明の公正な陽射し
なんぴとも
この太陽を正しく享受して
あまねく
全人的に正しく暮らさねば
....
鮮やかに 雲が
青空から 吊り下げられて
細いナイロン糸が
結び目を のばして
雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい
雲の影が落ちる
....
空がこんなにも 開けて
甘い曇天が ひっそりと退くと
天空から秋の雲が垣間見え
私は視線もろとも 空へ 飛び込んでいる
空中を滑空する 夢
この秋空のなみなみとした 胸
陽光の ....
夏だというのに
窓も開けられず
あの密やかな 夜風も楽しめない
相変わらず 締め切った部屋
クーラーをきかせて
嘘のような 蛍光灯の下
仮想の君に読んでもらう為
キーボードを操作 ....
雨 そして静かな脱力
歩道は しみじみと 打たれ
灰のあでやかな 輝きが増す
商家 商家のイルミネーションが
反射し 歩道を潤し
曇天の薄ピンクに 街は灰
唸る都市は 午後へと突入 ....
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