髪の香りが永遠ならば
わたしはいつでも夜を待ちましょう。
ささやきの苦さがひとときならば
わたしは今でも夜になりましょう。
ルルリリ メルリ
いとおしいのは あな ....
いつかきっと
背伸びしていた日のことを
緑色の気持ちだったあの日のことを
古い映像でも見るように
双眼鏡をさかさに見るように
遠い網膜のこころで
思い出すのでしょうか
そして それは ....
万華鏡 手にとりて
万華鏡 覗きし{ルビ快楽=けらく}
低き満月 血の香り
赤き万華鏡に 見えしもの
遠雷のくらき咆哮
蒼き万華鏡に 見えしもの
接吻の憂鬱 ....
紙一重のもの
たとえば
ビーナスとメドゥサ
たとえば
秋と光
たとえば
天使の群れと百鬼夜行
たとえば
あなたと重力
虎になった
黄色と黒で 都会のようで
{ルビ四本=しほん}の足が 致命的で
神秘と静寂のギリギリに
透き通るように立ちつくす
虎になった
爪と牙が 怯えのよう ....
色を持たない水彩画のように
雨が。
数えてよ そのいくすじか
みつめてよ その息づかい
ふるふれ 雨の無表情
  
....
はるは さくらのおちるそくどでやはり
おちていく
はるに かぜをまとった やどなしびとと
おなじ ことばで
おちていく
腰のまがったひとが
夜のとばりに 星をうえていた
しんぼうづよく ことばを
なくす過程が 大切なのです
と おしえてくれた
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった
笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった
うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
つい さっきまで
おかねを かぞえていた
手で
詩を かぞえてみたら
にそくさんもん だった
「お前はヒーローじゃないんだよ。」
会社の上司によく言われる。
芋焼酎の甘美な力を借りて。
人生について語るとしばしば指摘を受ける。
積極的にヒーローになろうとしては ....
甦るのは思い出だけです
断片という名の時の死体です
「昨日は、昨日は、昨日は」と繰り返す事がARTだと囁く幽霊が日常です。
あなた今22歳で ボクは25歳
驚きの年代はもう過ぎた話です ....
かみ合わない歯車に、また少しだけ時がずれる
秒針のきしみは それでも
壊れたメトロノームのように 私を、
追うから
逃げ込んだいつかの雪原で 私は、
細雪がわずかに切れる夢を見た
....
ぶんっ
  
風がさそう夜は
目が潰れるほどに 
 眩しく 暗い
銀に輝く夜が
ぶんっ
  
視線をすい ....