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紫色のくちびるを震わせ
熱いコーヒーで暖を取るわたしに背を向けて
あなたはストーブに薪をくべている
見覚えのあるチェック柄の毛布
あなたの匂いを胸一杯に吸い込んでみた
冬の嵐の去った ....
虫のいどころでも悪いのか
いつまでも押し黙ったままで
あなたはテレビの画面を眺めるでもなく
そっと箸を置く
テレビのなかには
つまらないギャグに笑い転げる顔があり
テレビのそとには
....
ルーズな踝はいつのまにか姿を消し
タイトな紺色が街を闊歩する
こんな横並びを欲する時代だからこそ
曖昧なままでは許されないと言わんばかりに
膝上近くまで引き上げられた紺色に感じる息苦しさと ....
多摩川に架かる鉄橋を渡りきる頃
メールの着信を知らせる携帯の光が走る
両親も恋人と認める彼からのメール
簡潔な朝の挨拶に優しさ溢れる短いことば
先輩は幸せ過ぎるから
傍から見ると憂鬱 ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた
普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
who
おまえは誰だって問われても
わたしって誰なのかな
今のわたしがわたしなのか
ほんとうのわたしは他にいるのか
自分探しの旅路
だなんて聞き飽きた科白だけど
わたしってやつは
....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように
五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し
もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに
例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように
もし ....
あるひとが言った
世の中の戦争は
おとこが起こしたもの
おんなには罪の無いはなし
そして
ほかのあるひとが言った
そんなおとこを産み
育てたのは
わ ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる
いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた
ずっと憧れていたこ ....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
ぼぼ
ぼぼってなんだか
可愛らしい
でも
ちょっと恥ずかしいことば
りんご
秋は実りの季節だね
りんご
とか
いい感じ
りんご
って禁断の果実
アダ ....
思わず声にしてしまった
ことばよりも
言い出せなかった
ことばの
内に秘められた真実
レンガを幾つも積み重ね
ひとは誰でも
その真実をこころに閉ざしてしまう
日々の暮らしと
日々の思 ....
あなたとおそろの夫婦箸
いまはもう使う気にもなれない
あの頃は愛の姿を信じていた
同じ季節の同じ日々
それでも、素肌に感じる感触は
あの頃とは確かに違っていて
ひとり台所に立てば
化学の ....
コンパクトに映るわたしに
わたしは誰と尋ねても
何処まで行っても、あなたはあなた
としか答えてくれない
(何だかつまんないなあ
こうやって電車のなかでも鏡を覗き
アイラインなんか直してみる ....
「この花きれいだね」
あなたは美しさの形を指先でなぞると
風の誘うままに微笑み
未だ慣れぬ白い感触を確かめながら
おぼつかない足取りで
わたしの半歩先をゆっくりと歩む
....
世界で一番輝いているもの
それは夏の太陽でもなく
北風に瞬く冬の星空でもなくて
君が捨てようとしたもの
君がいらないと思っているもの
世界で一番輝いているもの
それはブルガリの ....
Wasabi さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト
(49)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
拾われたひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
26*
08-2-8
ささくれたひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
23*
08-1-29
ルーズアンドタイト
-
恋月 ぴ ...
自由詩
19*
08-1-24
確められないひと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
31+*
08-1-12
忘れもの
-
恋月 ぴ ...
自由詩
31*
08-1-7
手の鳴る方へ
-
恋月 ぴ ...
自由詩
30*
07-11-24
な、わたし
-
恋月 ぴ ...
自由詩
28*
07-11-5
ち
-
恋月 ぴ ...
自由詩
27*
07-9-21
さ
-
恋月 ぴ ...
自由詩
31*
07-9-14
今日この日に
-
恋月 ぴ ...
自由詩
29*
07-8-9
明日になれば
-
恋月 ぴ ...
自由詩
35*
07-7-10
いちたすいち
-
恋月 ぴ ...
自由詩
42*
07-5-27
残り物の詩(うた)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
29*
06-10-21
秋の日に想うこと
-
恋月 ぴ ...
自由詩
21*
06-10-8
ペンキ職人
-
恋月 ぴ ...
自由詩
19*
06-10-3
夫婦箸
-
恋月 ぴ ...
自由詩
15*
06-9-23
わたし
-
恋月 ぴ ...
自由詩
14*
06-9-10
たまたま
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恋月 ぴ ...
自由詩
30*
06-4-26
世界で一番輝いているもの
-
恋月 ぴ ...
自由詩
13*
05-11-29
1
2
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