彼女はびしょびしょに濡れた服を着て
この服いいでしょ
といった
ぼくは濡れてるから着替えた方がいいって
いったけど
彼女はそのうち乾くから平気だよと
まったく気にしていなかった
....
糸がほころぶように
貴方との絆がほどけていく
ゆるゆると
音もなしに
でも確実に
不信という名の糸キリバサミで
貴方と私の紅い糸
少しだけ傷つけられて
はらはらと
ただ静かに
....
ふわりと風に持ち上げられて
風船はまた
地面に這いつくばる
いつの間にか
ずいぶん膨らんだ気がする
大きく息を吸って
ゴムの口に吹き込む
酸素と二酸化炭素の比率
だけが
中と ....
街中ですっ転んだ
視界にあるのは人の脚
何事も無かったかのように通り過ぎる脚
立ち止まってこちらに視線を投げかけている脚
スーツの脚
ジーパンの脚
スカートの脚
ルーズソック ....
