両の手にさしだされている、きみは推し計られずに
両の手にさしだされている、
きみは推し計られずに


どこからぼくを見ていたのか、きみは
時間について
話すように、横顔で
 ....
  夜の頃
  いよいよ視力を盗まれて 往生する そう幾つもない階段を
  丁寧に降りていく 16,17,18,19,と数えていった
  山の神様が 遠い方からしょっぱい種を飛ばし
  加 ....
県道に戻ると
職員が猿を駆除していた


何ですか
このアンテナみたいなの


んとね
畑が荒らされてさ
人にきこえねえ音出して
猿をいやがらせてんだ


そうですか
ど ....
死んでいくことで
踊っていける、たった
ひとつの
空だけを
おぼえている、

わたしか、きみが
いるために
誰かがいる、場所
焼きはらわれた、夕暮れ

わたしたち
それぞれは
ただひとりの者として、
心を
あつめている、
ひときわ明るい光に
焼き
はらわれて、誰でも
いいような
ただひとりの
者 ....
きみがいたところ、そこには
いまでは
言葉がある、
あるはずだった言葉に
ついて、話していた
夜をすぎて、きみはどんどん重くなっていった
この夜は
これまでのどの夜よりも
きみ ....
レストランの隅々に
手、枝、へと連なる不ぞろいの断面
戦車のキャタピラーは雨上がりの
ふとした地面を踏み固め
人の背中は人を定義しない
使い古した嘘
のように、また息を継ぎ足して
水 ....
  
朽ち果てた石
その微かな記憶
落葉樹は閉ざされたが
薄く匂っている
末端という末端に
隙間という隙間に
うずら料理の美味しい店で
わたしは女に求婚した
手の甲の静脈は変わること ....
きみとともに、暗く
彼女が
受け入れている
こと

むこうへ渡すこと、越えていく
ものが、あると
ない
ということが、
きみとともに、暗く
彼女を
受け入れていた


 ....
反復することができない
ものが、示されて
きみは
わたしを愛していない、愛していない
きみはわたしではない、
わたしがわたしでない
とき、きみは
われに返って、夜
に、
指し示す ....
わたしはきみに遅れつづけて、きみは
みずからを
超え出ていく、刻々と
わたしは
きみを連れて行かなければならない、きみが
時間を生みだすがままに
して、わたしの
図式は引かれる、 ....
ちいさな姉さんたちが
あぜ道を鮮やかに歩いていく
カモミールとか
ベルガモットだとか
とても香りの良い会話をしながら
ちいさな光る粒を落とし
それを知らずに踏んでしまうと
しばらくの間、 ....
 邪魔な段ボールがあって、もちろんよそ様のものなのだけれど、邪魔である事は腹立たしく、息を吸ってから蹴飛ばした。ハズレの段ボールだったらしく、中には何か重金属の固まりが詰まっていて、爪が割れた。骨も折 .... はざくらがきれいだった
るうとのけいさんはいつも
にがてだった
すしやにかくまわれてる
ごうとうのせんたくものにも
すずしいかぜがふいた

+

ははに
るびいをかってあげた
に ....
今日読み始めた日記は、
昨日あなたが書き残したもの。

今日書き残す日記は、
明日あなたが読み始めるもの。

明日、あなたがいなくなるとすれば
明後日、私がいなくなるっていうこと
そし ....
実体のない
服を着ている
実在しない
山小屋に行く
実感のない
徒歩を続ける
ペアになる 裂けた服は路上に
点線が付いている 禁止 なにもかも禁止

禁止 禁止だよという声が聞こえる ....
エゲレスで
イエローファット病が流行ってからは
刺繍入りのコルセットなんて、とか
上等の砂糖菓子なんて、とか
囁かれてしまって
女たちはとても恐れた

個体によって差はあるけれども
た ....
虹を食べ過ぎてしまったか
のように少し大きい女の人が
愛という字を
消しゴムで消し続けている
あの鉄橋を渡れば私の故郷があるのよ
と指差す先には
窓がないので
景色の良く見える庭 ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
あなたが飼いならした
砂場はとても
うつくし
過ぎる

薄曇が めくれあがった時に
あなたの顔は半分まで
埋もれて
しまう

横にふられた 日暮れた
少年少女の斜線部 成長のたび減る

針金で縛られた書簡霞に吊るす

コンパスの上半身を他国から見る

栞は砂しかもサハラの貧しい村

魚の形の輪乱すダンスいつか陸へ

火の粉に礼  ....
東京の郊外住宅地のとある公園のブランコに座っていると、ひとりの娘が走ってくる。顔つきが白く凍っている。「どうしたの」と声をかける。「追われているの」といって振り向いて娘は一瞬のうちに助けを求める期待の .... 目覚めたら私の腕や脚の皮膚が黄緑色になり、固くなって、ところどころささくれ立っている。私は足や手が植物の枝になっていく気がした。柔らかなたわみのある腹や乳房は幹になり、口紅をしたままの唇が花か果実にな ....         

旅館から浴衣がけで我々は夜の温泉街に出かける。川の橋の袂に、テントがけの射的場がある。酔っている我々はそこに入った。一本の銃がぼくに渡される。紅い人形を撃ち落せという。ぼくは狙 ....
最終的に黄身と白身にわけられたら いいよ いいよ

鳥はつい、と滑空して えらい人がことわざを作る
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もっとえらい市場
へんてこな行き道 ....
砧 和日さんのおすすめリスト(57)
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それでも世界は美しい- たもつ自由詩10+*08-5-7
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