揺りかごから墓場までほとんど至れり尽くせりのこの国で
神の子イエス・キリストの名前を
ちゃんと知っている人がどの位居るのかは解らない
それでも全ての国民が義務教育を受けて居るはずの現在
日 ....
北の大地では六花を呼び込む灰色の空が
重く色づいた樹々を
このまんま押し花みたいに
空に繋ぎ止めてしまえば綺麗なのに
芸術家気取りの冷たい風が
ハラハラと色を零していく
どうせなら ....
税金泥棒になる位なら
大ドロボウになってやる
石川五右衛門、鼠小僧次郎吉、
怪盗ルパン、三億円強奪犯に並び称される
大ドロボウになってやる
まず、福島、和歌山、宮崎なんかの
県政の ....
詩集をね、つくるんだ
みんなに渡せるからね
少し黄色い紙ならね
目もちかちかしない
はずさ
知って欲しいからね
僕のことを
これから伸びてゆく詩人だからって
今知ってほしいのは
僕が ....
私の理想の女性は林家パー子です
見た目はおいといて理想です
自分のやることなすことを
中身はおいといていつも笑ってくれる
そんな人がそばにいたら世界はどんなに楽しいことでしょう
別に私はいつ ....
私の中では固定された考えというものがあるのです。
それはあなたがいくら引っ張っても動きません。
いやだから押したって動かないって。
ははは。何人がかりで押したって動くものか。 ....
壁のシミを眺め続けている
時間を潰す方法はこれしか知らない
退屈でも見ているしかない
やる事がないこの檻の中では仕方ない
嘗ての王も今は見世物でしかない
本能のままに生きる事も ....
水面は、奪われた。
溺れることはない。
浮かび上がる魚の眼が空を泳ぐ。
それは白く、美しい、魚だった。
私の水面は、奪われた。
月はつぎはぎだらけ。
縫いつけられて笑ってる。
眠 ....
宛・モラリスト有識者諸兄
1・腐りきった水を湛えた水槽に男の四肢が浮いている。
故にその言動もまた腐りきっております。
2・濁りきった汚水が流れる川に男の瞳が漂っている。
....
美しいターニャご自慢のおへそ
モンテヴェルディーの宗教音楽のようだ
禁欲的であり
パンクロックのようでもある
敢えて言うと
退廃的というよりは
健康的だ
忘れられない
20 ....
白いドレスが綺麗でしょう
淡い世界に霞まない様に
紫陽花色の傘を咲かせて
君が笑うものですから
僕は蝸牛の様に煮え切らない速さで
ゆっくりと世界の湿度の中に溶け込んで
綺麗だなぁなどと ....
情報通の友人から
感情の食べ方を教わったので
早速今ある幸せをかき集め
ジックリコトコト煮込んでみたところ
これが何とも薄っぺらい味であった
アイスのフタを舐めているような
惨めったら ....
通りの
突き当りには
とても大きな
古い病院
薬と
消毒と
おしっこの匂い
クリーム色のカーテン
ひびの入った白い壁
触ると
とても冷たい
わたしは病気で
入院した ....
辛抱堪らんな溜まったまんまだったわ私、ラッカーでも浴びたかのようにして息苦し、
ほら空!
見ててね、荒れてる雲の鱗粉が乱交してんだわ正午っから馬ッ鹿。
ずりい、ずりいのね。
で、
痺れた豪雨 ....
年に一度
誰もが四つ辻をめざしてぞろりぞろりと歩む夜
街灯にホタル烏賊を吊るすのだ
あるいは吸盤のひしめきあう十本の足を木の枝にくくりつけ
青いその火を提灯にして巡礼の途につく ....
鉄の蓋を開けて
放り込んで
暗闇の中
夢見るように
14階建ての箱が平行に並ぶ
異形である
僧が 泣くのである
静かに
念仏鈴の 音が
僧の 頭に かぶさるのである
ちぃん ちぃん
音が 響くのである
僧の 頬には
蛾が 張り付いておる
蛾は 手足がない
....
港の水に映るのは
それは月ではないのです
港の水に映るのは
それはおしりなのでして
おしりは逃げ出したのでして
僕はそれを追ったのでして
漁船に忍び込んだのでして
追い詰められたおし ....
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