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くちびるに海苔がついているから
愛してる
って言葉も
何だかシャケっぽい
芝生にはたくさんのシートがひかれて
僕らのピクニックは
その一番隅っこ
風で泳いでいかないように
いろいろ ....
「ふ」を付けただけで
不幸せになるのなら
最初から幸せなんていらない

「む」を付けただけで
秩序を失ってしまうような世界は
多分まぼろし

「み」を付けただけで
来るのだろうか ....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう

それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
 ....
「そもそも、わしが生きていたころは」
生きていたころは、なんて言うくらいだから
やって来たものは
今はもう生きていないものなんだろう

「そもそも、わしが生きていたころは!」
今はもう ....
透明な波が
どこからかやってきて
ささささあん、ささささあん
とうち寄せてくる

けれど
透明な波はあまりに透明だから
私はいつもそれに気づかない

例えば
静かな朝の食卓
箸を ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
深夜、バスに乗る
乗客もまばらな車内
運転席をのぞくと
濃紺の制服を着た父が座っている

昔、一度だけ
大人になったらバスの運転手になりたかった
という話を聞いたことがある
どこかで何 ....
桜の枝を折ったジョージは
一生砂漠の砂を数え続けるという
罰を受けた

ああ、それならいっそのこと死刑にしてください
そう懇願したが

いやいや、罰とはそういうものなのだ
裁判長のこの ....
普通の椅子だったのに
ある日、突然
わたしは人になった

初めて目でものを見た
初めて呼吸というものをした
初めて手でものを掴んで
初めて足で歩いたりもした

椅子に座らなければ ....
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない

もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
バス停で
ネクタイをしていないことに気がついた
社会人としてあるまじき失敗
かといって家までネクタイを取りに帰る時間も無い
ネクタイに代わるものを探していると

あった
ベルトだ
 ....
ニュージーランドにいるキウィという鳥は
羽がすっかり退化してしまっていて
空を飛ぶことができない
夜行性のその鳥は
夜になると木の穴の中などから出てきて
えさを探す
もちろん飛ぶことが ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
天ぷらを揚げているうちに
この世にいるのがわたし一人きりになった
キッチン
みんないなくなってしまった

父も
母も
あなたも
娘も
隣の中村さんも
隣の隣の西野さんも
裏の ....
彼女に歌をつくってあげたかった
とってもスウィートでハートフルなやつを
彼女のためだけにつくって
彼女のためだけに歌いたかった

プリンの歌がいいな
うん、いいね

僕はノートに詞 ....
私はもう涙しません
何故なら、そう決めたからです
だからもう涙しないのです

地球温暖化が進んでいるといわれている昨今
これからの降雨量も心配でしょう?
だから貴重な水資源を失いたくないの ....
たわしはもう
わたしのことなど忘れて
海に帰ってしまった

たわしのかわりに
いわしで風呂の掃除をすると
少し生臭かったけれど
自分も海に帰れたような気がして
そのような気がして

 ....
たわしを買ってきたわたしは
綺麗な洋服を着せて居間に飾った

たわしはどこかわたしに似ていて
わたしは一度もそのように飾られたことなどなかった

日曜日
わたしはたわしを使って風呂掃除を ....
薄幸そうな女が歩いていく
カツカツカツカツ通りを歩いていく

お気に入りの赤いコートを着て
カツカツカツカツとブーツの音を響かせて
薄幸そうな女が歩いていく

背筋をピンと伸ばし
 ....
いろんなものがぶら下がっていたので
ついつい拾ってきてしまった
天井から吊るすと
いろんなものがいろんな色に光り
窓を開ければ夏の風に吹かれて
いろんな音をたてる

シャリン、チャリ ....
夢の中で
年老いた象が悲しそうな顔をしていた
どうしたのか、と聞くと
故郷のアフリカに帰りたいのだと言う

草原で捕獲され
動物園に運ばれてからの調教師との親交や
子供を出産したこと ....
台所に落ちていたピーマンを
コロコロと転がす

窓の外
喪服を着た人が数人通り過ぎていく
誰かの死はいつも何気ない

昨日より少し蒸す部屋に
何の比喩にもなれない私がいる


 ....
駅前で冷蔵庫が名刺を配っていた
私も一枚欲しくて列に並ぶ

冷蔵庫の中が無性に見たくなって
ドアを開けようとすると
少しムッとしたみたい
ガサガサ音をさせる

もらった名刺には冷蔵 ....
ようかんが街をつつんで
今日も夜がやってきました

駅からの帰り道なんですが
星々は百円ショップのようにチープにまたたいて
さしずめ月は壊れたひょうたんってとこですか

秋の虫がいい ....
ねえ、雨

+



+

遠い

+

いつも

+

記憶

+

遠い

+

ねえ、雨

+

崩れる?

+

崩れない ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
ボーリングの玉をひとつ持って
旅に出たことがある
あてのない旅だった
いつ終わるともわからない旅だった
右手に
疲れたら左手に
15ポンドの重量を感じる旅だった
旅路のはて
帰るこ ....
(一)すべてのものは

日が翳っている
四月は末日
冷たい図書館の
その片隅で


ある日、男が生まれ
ある日、死んでいった


たった二行の
歴史書が
誰にも読まれること ....
街中ですっ転んだ
視界にあるのは人の脚

何事も無かったかのように通り過ぎる脚
立ち止まってこちらに視線を投げかけている脚

スーツの脚
ジーパンの脚
スカートの脚
ルーズソック ....
狸亭さんのたもつさんおすすめリスト(90)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ピクニック- たもつ自由詩603-10-27
抱きしめる- たもつ自由詩803-10-27
忘れ物- たもつ自由詩1603-10-24
ぱくぱく- たもつ自由詩203-10-24
ぷかぷか日和- たもつ自由詩703-10-20
明日ごろまで- たもつ自由詩903-10-14
約束- たもつ自由詩603-10-7
砂漠- たもつ自由詩603-10-7
普通の椅子- たもつ自由詩903-10-3
きりんタクシー- たもつ自由詩1203-10-3
人生劇場- たもつ自由詩403-9-30
夜に走る- たもつ自由詩603-9-24
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
天ぷら- たもつ自由詩1403-9-17
プリン- たもつ自由詩6*03-9-16
炒めた玉ねぎは涙の味がするのだ- たもつ自由詩403-8-18
それからのたわし- たもつ自由詩803-8-11
たわし- たもつ自由詩603-8-11
薄幸そうな女- たもつ自由詩303-8-7
夏の音- たもつ自由詩503-8-1
象の夢- たもつ自由詩403-7-29
梅雨入り- たもつ自由詩303-7-25
生きていくこと- たもつ自由詩1003-7-23
家に帰る- たもつ自由詩403-7-15
- たもつ自由詩703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
15ポンド- たもつ自由詩403-6-18
旅路- たもつ自由詩1003-4-20
人の脚- たもつ自由詩2103-4-2

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