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私はあなたから生まれたというのに
もうそんなことを忘れてしまって
自分だけの死を抱きしめていた
まるで沈むために港を離れた
あのポンコツな捕鯨船
たった一つの獲物を射るための{ルビ銛=もり} ....
学校を卒業して
実家に戻った君から
普段と違う調子で
不意に電話が入る
ずいぶん遠い町に住む君と
昨夜同じ受話器から
おやすみと言ったばかりの僕は
醤油の有名な町で
働き暮らしていた
....
月のようでもなかった私は
君にうすぼんやりとした影を
もたらしたり
することもなかった
輪郭を
持ちはじめた気持ち
境界を求めてはいけなかった
あいまいなまま
分針が何度、 ....
引き出しの奥から出てきた
古ぼけたトランシーバー
適当なチューニングのまま
大和川、南側の土手を
ノイズと一緒に
大阪湾へ向かって自転車を走らせる
いくつもの道を横切って
いくつもの ....
水面のやさしさを信じ
身を投げる木の実の
沈んでいく運命の先を
知らないかのように
綺麗な音色だと
美邪気に笑う君に
かなしくなる
西の雲は入り日に
焼かれるからかわいそうと君 ....
風をつかもうとして
草をちぎってしまった
てのひらが
鳥を呼ぼうとして
こんちくしょうと叫ぶ
声が
心のかたちを確かめたくて
君のからだを抱きしめた
腕が
今夜もずれてい ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように
時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い
君は
峠ではためく{ルビ経文布=タルチョ} ....
行基さんでの
待ち合わせは飽きたので
采女神社でって
君がいうから
僕は池をぐるりと歩いて
時計回りで君を待って
興福寺の夕暮れに
見上げると
和紙に漉かれた
六分の月
君 ....
岩木山の
奇妙に底抜けた反射が
冬の林檎樹を
切り絵の風景にする
小泊に向かう一本道のそばで
その昔、十三の湊が
あったという
巨きな黒鏡が夜を
地吹きの中で待っていて
ため息を飲み ....
また腐りかけた吊り橋だ
いつもこうやって
たどり着く先で
誘う危険は
谷奥からのそよぎに共振する
銀河を流す暗い川には
大きな{ルビ鰐=わに}が寝そべり
冷たい水に ....
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ
でも今見えている星は
そのまま今
の、{ルビ一番星=シリウス}
足摺 ....
石瀬琳々さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(71)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
生まれたことも忘れて
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たりぽん ...
自由詩
15*
06-8-8
駅・湯浅
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たりぽん ...
自由詩
14*
06-7-20
月のようでなく蜻蛉
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たりぽん ...
自由詩
12*
06-7-17
自転車・トランシーバー、大和川
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たりぽん ...
未詩・独白
9*
06-7-4
ホタルブクロ
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たりぽん ...
自由詩
16*
06-7-2
初夏の断層
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たりぽん ...
自由詩
16*
06-6-21
星を、かぞえてはいけない
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たりぽん ...
自由詩
16*
06-6-13
駅・近鉄奈良_〜猿沢あたり
-
たりぽん ...
自由詩
9*
06-6-10
津軽・十三湖
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-6-6
吊り橋を渡る、僕は帰らない
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たりぽん ...
自由詩
13*
06-6-4
星よ、ほしよ
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-5-25
1
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